まりえは、これまで婚活アプリなどにも登録したことがなく、婚活サービスは結婚相談所のサイト登録が初めて。登録後に自分の年齢に見合う50代男性を検索したのだが、男性たちのプロフィールをチェックしていくうちに、驚きの事実に気がついた。
「びっくりしました。50代なのに、“子どもを希望します”という方が、あまりにも多かった。初婚男性は8割がた、再婚者でも前の結婚で子どもがいない方は子どもを希望している。そうした方たちは、当然のことながら女性の希望年齢が30代になっています。50代の私はお呼びでない」
そして、ため息まじりの口調で続けた。
「60代になっても子どもを望んでいる男性もいるんですね。娘のような年齢の女性と結婚して、孫のような年齢の子どもの父親になろうとしているのでしょうか」
しかし、これが婚活市場の現状だ。
30代の女性からしてみたら、父親と同世代の男性を結婚相手には選ぶことはほとんどないので、年の差婚がかなう男性は稀有だ。ただ、可能性はゼロではない。
実際、娘のような年齢の女性と年の差婚をして、50代、60代で父になっている人たちはいる。それが芸能人や有名人だったりすると、メディアがセンセーショナルに取り上げるので、「自分もそれに続く」とばかり、希望を見いだしてしまうのだろう。
筆者はまりえに言った。
「同世代の男性と結婚したいなら、再婚者で、子どもがいる人が狙い目ですよ。50代ですと、子どもが大学生や社会人だったりする。子育ても終わっているし、社会に出ていたら子どもも自立しています。そういう男性の多くはもう子どもを望んでおらず、気の合う同世代のパートナーを探しています」
結婚の目的は子どもを授かること
また男性のなかには、「お金があれば、若い女性と結婚できる」と思い込んでいる人も少なくない。そうした男性は高年収だったり、不動産、預貯金、株などの資産があったりするので、「子どもが大人になるまでの蓄えは、十分にあります」と胸を張る。さらに、体力に自信があって、「自分は若く見える」と自負している。
しょうじ(54歳、仮名)は外資系勤務で、年収が1500万円。母はすでに他界し、84歳の父と3歳下の独身の妹がいた。
入会面談では開口一番、「結婚して子どもを授かりたい」と言った。昨年、都内の一等地に建てた一軒家で一人暮らし。父は、24時間いつでも温泉に入れる高級ホテルのような高齢者施設で暮らしているという。
「家のローンはすでにありません。建てるときに現金で支払いました。妹は都内のタワマンに住んでいるのだけれど、結婚する気もないし、もう子どもが授かれる年齢でもない。最後の親孝行として、自分が結婚して、孫の顔を親父に見せたいんです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら