東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ウクライナ侵攻、危機の本質

2024年・ロシアのプーチン大統領はどこへ行く? 米欧の「ルッソフォビア」に対抗、国家改造着手

10分で読める
  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES

プーチン氏はウクライナにとどまらず、かつての旧ソ連指導者のように欧州地図全体を見ているのだろう。今後、ウクライナ侵攻をめぐっては停戦に応じる動きに出る可能性は否定できない。

しかし、仮にそう動いたとしても、それは短期的な一時休止的な行動に過ぎないだろう。なぜなら、擬制的ながら、プーチン氏がはっきりと復活に向け動き始めた「ソ連」の主要な属性の1つが、西側との緩衝帯として、旧東欧衛星国家群を有していたことだからだ。

この21世紀に、かつての東欧諸国のような衛星国家を有するなど、時代錯誤の妄想としか筆者には思えないが、プーチン氏は大真面目なのだ。それを裏付ける動きが実は侵攻前からあった。

ヤルタ首脳会議の再現を狙ったプーチン

プーチン氏は2019年頃から、米英中仏の他の国連安保理常任理事国に対し、欧州秩序に関する会議を開催するよう打診していた。これは、第2次大戦末期の1945年2月に開催され、欧州における東西勢力圏を確定したヤルタ首脳会議の再現を狙ったもので、「ヤルタ2」構想と呼ばれていた。

プーチン氏からすれば、西側から批判されたクリミア併合などを新たな欧州秩序として国際的に受け入れさせ、ウクライナ全体をロシアの勢力圏として認知させることを狙ったものだ。

この時、プーチン氏の頭の中ではウクライナだけでなく、バルト3国なども勢力圏としてにらんでいたのかもしれない。しかし、この時代に、勢力圏の復活には米欧は冷淡で、「ヤルタ2」構想はまったく相手にされなかった。

ここまで述べてきたプーチン氏の世界観を踏まえ、2024年、西側はプーチン・ロシアとどう向き合うべきなのか。

近い将来における「擬制の復活版ソ連」の登場というシナリオに対し、現実感をもって備えるべきだ。もはやウクライナ紛争は単なる地域紛争ではなくなっている。憲法で「平和主義」を掲げる日本も、その枠を守りつつ西側の一員として今後対応していかなければならない。

6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象