アフリカで爆売れスマホ「世界5位に躍進」の衝撃 スマホ市場が縮小する中でなぜ伸びているのか
アップルが初代iPhoneを発表し、スマートフォン市場が産声を上げた2007年、ナイジェリアではアフリカ市場に特化したフィーチャーフォン(ガラケー)が発売された。
プリペイドのSIMカードを使う人が多く、通信環境が不安定な同市場向けに2枚のSIMカードを搭載できるガラケーを開発・発売したのは香港の無名ベンチャー「伝音科技」だ。
同社は2013年に深圳に本社を移し「伝音控股(トランシオン)」として再出発したが、前身時代を含め一貫してアフリカ市場を開拓してきた。
新興国でシェア拡大に成功した伝音は、スマートフォン市場が成熟し世界販売が縮小する中、今年のスマートフォン販売台数で初めてトップ5に入ることが確実視されている。
競争避けるためあえてアフリカに
伝音の前身企業は中国の携帯電話メーカーで海外販売を担当していた竺兆江氏が2006年に創業した。当時はグローバルで携帯電話市場が急成長しており、中国でもローエンドメーカーが次々に立ち上がっていた。
竺氏は競争を避けるため、スマートフォンどころか携帯電話市場が夜明け前だったアフリカにあえて狙いを定めた。
以来、ガラケーからスマートフォンにシフトしつつ高機能化を競い合う大手メーカーをよそに、消費者の所得が低く、通信環境も不安定なアフリカ市場での需要を掘り起こしてきた。
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