アフリカで爆売れスマホ「世界5位に躍進」の衝撃 スマホ市場が縮小する中でなぜ伸びているのか
通信や電気インフラの脆弱さをカバーするため、デュアルSIMどころか4枚のSIMカードを挿入して、それぞれの電話番号で同時に待ち受けができる端末や、充電しなくても20日バッテリーが持つ端末を投入。歯と目の位置を認識して顔を識別し、黒人の肌をよりきれいに撮れる「美黒機能」付きカメラも開発した。
経済が発展し、市場が大きいナイジェリアと南アフリカ共和国を中心に、アフリカ全土に販売網を構築し、2017年にはアフリカの携帯電話市場で40%のシェアを獲得し、サムスンを抜きトップに立った。
最近はスマートフォンにも注力しており、中高価格帯の「TECNO」、割安な「itel」、若者向けの「Infinix」の3ブランドを展開する。アフリカでのブランド力は高く、中国メーカーだと知らない現地の消費者も多い。
中国では商品を発売していないため、同国での知名度も長らくゼロに近かったが、2019年に中国の新興企業向け取引所「科創版」に上場したことで突如脚光を浴び、「アフリカの王」と呼ばれるようになった。進出先も商材も違うが、激しい競争を避けてアメリカでビジネスを始めたアパレルEC「SHEIN」と通じるものがある。
アフリカ依存のリスク
そんな「アフリカの王」も、2022年は試練に直面した。同年の売上高は前年比6.1%減の463億6000万元(約9600億円)、純利益は同35.4%減の25億2400万元(約520億円)で、上場以来初めて減収減益となった。
同社は業績悪化の理由を世界的な金融引き締めによるインフレや新型コロナウイルスの流行などでアフリカ経済の成長が鈍化したと説明した。
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