Netflix実写「幽☆遊☆白書」残念にならない力技 週間グローバルTOP10で「初登場1位」の快挙

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主人公の幼馴染で同じ高校に通う雪村螢子役は白石聖が演じる(画像:Netflix)

欲を言えば、もう少し話数を増やしてストーリーそのものに深みを持たせてほしかったという感想も持ちます。1つのドラマシリーズとして見たとき、全5話は単純に短く、バトルシーン以外は少々単調で、想像を超えるような人間ドラマがありません。

男気あふれた内容そのものは否定しませんが、女性や子どもを助けるために頑張るという説明描写以外のバリエーションがもっとあって良かったのかもしれません。もしくは戸愚呂弟のバックストーリーにもう少し時間をかけることができれば、別の視点で作品の世界観を伝えることができたのかもしれません。作品の根底に流れるテーマは、種族が異なる者同士がどう理解し合えるのかというものですから、それをより理解できたのではないかと思ってしまいます。

製作費の問題で5話が限界だった?

話数が伸びる分、これまたコストがかかってしまいますから、5話が限界だったのかもしれませんが、生身の人間が演じる実写版として十分に新しい価値を生み出した実写の「ONE PIECE」のような破壊力はまだまだ足りません。前向きに捉えれば、日本発作品には伸びしろがあるというものです。

スタートダッシュの成績が抜群に良いことからも次作の制作決定に期待が持てます。Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で初登場1位を獲得した内訳を見ると、日本をはじめ、アジアのみならず世界的ヒットのカギを握るアメリカでも「今日のシリーズTOP10」入りしたことは注目すべき点にあります。初登場で世界92の国・地域でランクインする実績を作ったのです。

原作は全部で175話あり、今回はその3分の1程度のストーリーをまとめています。続く余地は十分にあります。最終的に人気漫画原作実写化の成功例として折り紙付きの評価を期待したいところです。

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長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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