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ネガティブな「後悔」の感情が人間に必要な理由 私たちの成長を促す"生産的な後悔"とは

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多くの研究によると、過去のネガティブな経験を否定的に評価するのではなく、その経験を受け入れている人のほうがその後に好ましい成果を挙げられるという。

また、後悔を脅威ではなく、機会ととらえれば、この感情の性格を根本から変容させ、言ってみれば、鉛のように重たい毛布ではなく、鋭利な針のような機能をもたせることができる。後悔が激しい痛みをもたらしても、それがすぐに解消するのであれば、その人の問題解決能力が高まり、精神の健康も改善する。長くくすぶり続ける後悔は、その人の足を引っ張るが、一瞬の鋭い痛みをもたらす後悔は、その人を高みに押し上げるのだ。

生産的な後悔は私たちをよりよい人間にする

カギとなるのは、後悔を触媒にして好ましい連鎖反応を生み出せるかどうかだ。感情が思考にシグナルを送り、思考が行動を後押しする状況をつくることが重要なのだ。後悔はすべて、その人を苦しめる。しかし、生産的な後悔は、人を苦しめたあとで行動を促すのである。

『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める』P86より

上に掲げた図は、そのプロセスをまとめたものだ。本人がどのような反応を示すかによって、結果が変わってくるという点に着目してほしい。後悔の痛みを感じたとき、人が取りうる反応は3種類ある。「感情は無視すべきものである」と判断して、それを見えない場所にしまい込んだり、軽んじたりすれば、現実が見えなくなる。「感情は感情のためにある」と考えて、それにどっぷりつかれば、絶望に襲われる。

では、「感情は思考のためにある」と考えて、思考を修正する材料にすれば? その後悔の感情は、意思決定の質を改善させ、課題に対するパフォーマンスを向上させ、人生の充実感を高めるために、有益な教訓をもたらす。

感情が思考のためにあり、思考が行動のためにあるとすれば、後悔は私たちをよりよい人間にする役割があると言えるだろう。

『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める 「後悔」には力がある』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

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