タイ政府はEVの普及および関連産業への投資を後押ししており、2022年6月から一連の優遇政策を施行。EVの購入者に1台当たり最大15万バーツ(約63万円)の補助金を支給するほか、(購入時にかかる)付加価値税率を8%から2%に引き下げた。ただし、優遇の対象は(2024年以降は)タイ国内で生産されたEVに限られる。
そんななか、哪吒汽車はタイの車両組み立てメーカーのバンチャン・ゼネラル・アセンブリー(BGAC)と2023年3月に提携。EVの組み立て工場を共同建設することで合意した。BGACはタイで(海外メーカーのノックダウン方式による)車両組み立てを50年以上手がける老舗企業だ。
日本車の牙城を崩せるか
タイの自動車市場では、日本の自動車メーカーが長年にわたり高い市場シェアを維持してきた。日本メーカーはEVシフトの出遅れが指摘されるが、タイ市場に詳しい関係者によれば、ここにきて巻き返しの動きを加速している。例えばトヨタは、ピックアップトラック「ハイラックス」のEVモデルを近く投入する予定だ。
ピックアップトラックはタイの自動車市場で高い人気があり、年間80万台前後の市場規模の約半分を占める。残り半分の乗用車市場はメーカーの数が多く、限られた需要を奪い合っている。
業界関係者の間では、2024年以降は乗用車のEVに関しても過当競争が始まるとの見方が多い。そんななか、哪吒汽車はもくろみ通りに販売を伸ばすことができるのか、勝負はこれからだ。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は12月1日
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