東芝が新体制、社長は続投・池谷氏が副社長で調整 日本産業パートナーズ連合の下で再生を目指す

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東芝の看板
(写真:東洋経済オンライン編集部)

東芝は上場廃止後の新役員体制について、島田太郎社長は続投し、副社長に三菱自動車工業で副社長を務めた池谷光司氏が就く方向で最終調整に入った。近く公表する。複数の関係者が13日、明らかにした。

東芝は投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)連合の下で再生を目指す。島田社長の続投で事業の継続性を担保する一方、三菱自動車でCFOを務めるなど企業再生の経験を多く持つ池谷氏が業務執行を補佐する。

同関係者らによると、JIPからは、同社社長の馬上英実氏ら数人が取締役に加わる。また三井住友銀行で専務を務めた小塚文晴氏が専務に就く。みずほ銀行は監査役クラスを派遣する方向で人選に入った。

再生の確度を上げる

東芝は20日に上場廃止する。非上場化のタイミングに合わせて、スポンサーのJIPと買収資金を融資した銀行から取締役を受け入れ、アクティビスト対応で混乱した経営体制を組み替えて、早期の企業価値向上を目指す。

池谷氏は三菱UFJ銀行(旧三菱東京UFJ銀行)で、審査担当常務や営業担当専務を歴任。2016年に三菱自副社長に就いた。今年6月に退任した後、JIPに移籍していた。

主力銀行の三井住友銀とみずほ銀は、東芝の主力取引銀行としてJIPに買収資金を融資した。総額1兆2000億円のうち、三井住友銀は約4400億円、みずほ銀が約4000億円を拠出しており、それぞれ役員クラスを派遣することで、東芝の再生の確度を上げる。

島田社長の続投については、日本経済新聞が先に報じていた。

東芝の広報担当の大石達朗氏は、当社から公表したものではないとし、今後の経営体制についてはJIPと協議しており、新体制発足までに決める予定だと述べた。

JIPと三井住友銀、みずほ銀の広報担当者はそれぞれコメントを控えた。

  • 東芝が12月20日に上場廃止へ-11月22日には臨時株主総会開催 (1)

 

--取材協力:古川有希.

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著者:布施太郎、鈴木英樹

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