部下もうんざり「仕事をやたら急かす人」の問題点 仕事を急かさずスピードアップさせる上司も

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仮に突貫工事で仕上げても、納期に間に合っただけで、肝心のプロジェクトの成果物や仕事のクオリティはおざなりになる。また、それを修正するのに、結局より多くの時間がかかると、なんのために急かしたのかがわからなくなる。

こういった状況に、プロジェクト管理の第一人者であるトム・デマルコは、「圧力を掛けるのが管理者の仕事だと思っている人が数多くいる」と言っている。

しかし、それとは真逆に、部下の仕事をスピードアップさせる上司も存在する。彼らは部下の仕事を急かさない。

上司:早くやれ。

上司:まだ終わらないのか。

そういった言葉は使わない。それにもかかわらず、急かす上司の下で同じ仕事をするよりも、はるかに早く部下の仕事は終わる。

前者は迷惑極まる上司だが、後者はぜひともほしい上司である。いったい何が異なるのだろうか? 違いは、次の2つの発言を部下に対してするかどうかである。

仕事のスピードがアップする2つの言葉

1.私は◯月◯日までに仕事を仕上げてほしいが、これを実現するために障害はあるか? それに対して私が手伝えることは何か?

2.◯◯という要求は必須。◯◯という要求は努力目標だ。

1つ目は、「上司たる自分が手伝えること」を聞いている。

2つ目は、「物事の優先度」と、「到達点」を伝えている。

実際、急かすことは部下の邪魔をするだけでなんの仕事もしていないのと同じである。上司がやらなくてはいけない仕事は、本来であれば「助力」と「要求基準の設定」であるにもかかわらずだ。

仮に部下が怠けているとしても、この方法であれば、部下に成果を約束させることもできるし、適正な納期を設定することもできる。

だから、この2つの発言をするだけで、部下の仕事はかなりスピードアップする。圧力を掛けるだけ、という愚を犯さず、上司は自分がやるべきことをやろう。

見えないところで必ずしていること
「手伝えること」を聞いて、「物事の優先度」と「到達点」を伝える
仕事ができる人が見えないところで必ずしていること
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安達 裕哉 ティネクト代表取締役

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あだち ゆうや

1975年東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事 。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上の ビジネスパーソンとともに仕事をする。現在は仕事、マネジメントに関する メディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う

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