日立製作所は7日、国内最大となる100億円のデジタル社債を機関投資家向けに起債した。社債市場で珍しかったデジタル化の機運が高まってきている。
日立が発行するのは年限5年のデジタル環境債で、7年と10年の普通社債を含め総額は900億円。デジタル環境債としては2022年の日本取引所グループ(JPX)の5億円に次いで2例目。日立の財務本部資金部の松尾恵美里氏はブルームバーグの取材に対し、販売先は生保、中央の公的機関、その他諸法人で、需要は1倍だったと明らかにした。
日本生命は同日、同デジタル環境債に50億円投資したと発表した。デジタル環境債への投資は初めて。グリーン投資でのデータの透明性向上とデータ収集の効率化を目指す債券だとしている。
機会があれば今後も検討
日立の松尾氏は、これまであまり見なかった国内投資家が現れた一方で、デジタル債に投資する社内設備が整っていないために断念した投資家もいたとし、一定の需要はあったと総括。今後のデジタル社債の発行については、投資家動向を踏まえた上で「機会があれば検討したい」と述べた。
国内社債市場ではことし9月以降、無格付け企業による初の公募社債や、ソフトバンクによる国内初の公募社債型種類株が登場するなど調達手法が多様化。10月には三井住友フィナンシャルグループなどメガバンク連合がデジタル証券発行・管理のプラットフォームを設立、これを活用して岡三証券グループがデジタル債の発行準備に入るなど、新たな動きも出てきている。
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著者:日向貴彦
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