「一丁目一番地ってドコ?」世代で広がる言葉の溝 「年配者の言葉」若者には理解不能で謎だらけだ

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ある意味、昭和の言い回しは、含蓄のある言葉の宝庫です。

伝わっていないかも…謙虚な自覚がカギ

しかし問題は、今の若い人たちにはほとんど理解されていないなどとは、昭和のおじさん・おばさんたちは、まったく気づきもせずにしゃべっていることです。

無理もありません。なんといっても日本人同士なのですから。

けれども、一刻も早くその認識を改めなければ、と思うのです。

「じゃあ、若いもんも、おっしゃっていることの意味がわからなくてと、質問してくれればいいのに」という反論もありそうですが、しかし、今の若者たちは、たぶんそこまで熱心に会話についてこようとはしません。

「アゴアシつき」の間違ったイメージ
【間違った「アゴアシ付き」のイメージ】理解されていないなどとは、おじさん・おばさんたちは、まったく気づきもせずにしゃべっている(イラスト:『じつは伝わっていない日本語大図鑑』より)

京都の龍谷大学が、全国の会社の上司と若手部下1000人を対象に「世代間ギャップ」についてアンケート調査を実施しているのですが、その結果からも若者たちの気持ちがおおよそ読み取れます。

双方の約半数が、年齢や立場、常識、時代背景などからギャップが生じているとし、双方の約7割が価値観が合わないとあきらめている、と回答しています。

上司のほうは部下に対し「話しづらい、踏み込みづらい」と感じており、部下は上司に対して「仮面部下」となっているとのこと。すなわち「上司には本音が言えないでいる」というのです。

とはいえ、若者は、「やばい」「草」「エモい」「ポチる」「ぴえん」……などと若者語で通じ合うだけで、年寄りが何かわけのわからないことを言っているよ、とスルーしていたのでは、いつまでも両者は平行線のままです。

上の世代も、自分が言っている言葉は、すべて通じる日本語だと思うひとりよがりを戒めて、自分と現代の若者とは共通認識が乏しいと改めて知ることが必要です。

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