ポールスター4は、当初は中国だけで生産して世界に輸出する計画だった。それをルノーコリアでも生産することにしたのは、中国から(大市場である)アメリカへの直接輸出が難しいためだ。
アメリカ政府は2018年、当時のドナルド・トランプ政権下で、自動車を含む中国からの輸入品に対する関税率を25%に引き上げた。現在のジョー・バイデン政権もそれを引き継ぎ、税率見直しは実施していない。
バイデン政権はさらに、2022年8月にEVの普及を後押しする優遇措置を盛り込んだ「インフレ抑制法」を成立させた際、中国を含む「懸念される外国の事業体」が関与する製品を対象から除外した。
思惑通りに運ぶ保証なし
インフレ抑制法は、アメリカと自由貿易協定(FTA)を締結する国からの輸入に関しては優遇措置の対象に含めている。そこでポールスターは、アメリカとFTAを結ぶ韓国でポールスター4を生産することで、高関税やインフレ抑制法の優遇措置の適用除外を回避しようとしている。
だが、ポールスターの思惑通りに事が運ぶ保証はない。インフレ抑制法が排除する「懸念される外国の事業体」の定義はあいまいだからだ。ポールスターの実質的な親会社は中国企業のジーリーであり、その点が問題視される可能性は否定できない。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は11月23日
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