クマ型チョコが大人気「カカオサンパカ」の戦略 スペインチョコブランド、海外出店は日本だけ

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実はこれは本国にもない、日本オリジナル商品。夏場に低下するチョコレートの売り上げを補うための策だ。カカオサンパカ日本法人、CSJ取締役営業本部長の田村童真氏によると、夏はもちろん売り上げが伸びるが、年間を通して人気が高く、今はインバウンドがこの商品を目がけて来店する。

「ソフトクリームは日本ならではの文化なので、海外の人にとって珍しいようです」(田村氏)

同社は5年ほど前からECを開始しており、コロナ禍では店頭や催事の売り上げが落ち込む一方でECが伸びた。現在は催事なども再開されたことに加え、インバウンド需要で、前年120%超、コロナ前も超えた売上高となっている。インバウンドに人気というソフトクリームは大きく貢献していそうだ。

テイスティングができる板チョコレートは真の看板商品(撮影:今井康一)

テイスティングで最適なチョコレートを選べる

しかし同ブランドの真の看板商品は、「ラジョラス」と呼ばれる板チョコレートだ。ショーケースには、世界各地から取り寄せたカカオを原料とする、40種類のチョコレートが並ぶ。その中には、先述の「ショコヌスコ」や、カカオ含有率100%の超ビターなチョコレートも。

そして同ブランドの大きな特徴が、テイスティングで味の好みを確かめながら、最適なチョコレートを選べることだ。

筆者も試しにテイスティングをさせてもらった。店舗のスタッフの質問に答えながら、ミルクチョコレートかビターチョコか、ナッツ系かベリー系か、という風に絞り込んでいく。好みに応じて都度、1cm角ほどのチョコレートを勧められるが、噛んではいけない。舌の上で溶けていくままにして、よく味わいを確かめる。自分のイメージと違う場合、別のチョコレートを出してもらうというようにして、好きなチョコレートを選ぶのだ。

筆者が選んだのはビターのベリー系。あくまで自分なりの印象だが、より素材に近い味わいに思えた。

次ページ生菓子・焼き菓子なども幅広く扱っている
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