クマ型チョコが大人気「カカオサンパカ」の戦略 スペインチョコブランド、海外出店は日本だけ
ニヒルな表情は、ちょっと大人好みのテイストとも見える。これは筆者の想像だが、子どもだけでなく大人もキャラクターや可愛いものが好きな、日本の国民性に合わせてのことなのではないだろうか。
実際、同ブランドの客層は、立地がオフィス街というのもあって、30代から50代オフィスワーカーが中心。経営層クラスも、手土産のためによく利用するそうだ。なお、丸の内はショッピング街でもあるので、休日はファミリー層も訪れる。
このようにブランドとしての訴求力が高い同社に対しては、FCの打診もよく寄せられるが、FCによる多店舗展開は考えていないという。テイスティングなどを通じて客の声をダイレクトに取り入れられる店舗は、同社にとって重要な顧客との接点だからだ。
日本の特殊な市場にスペイン本社も期待
店頭の声を今後も大事にするために、国内3店舗の店頭売りを要にしながら、ECやセレクトショップなどへの卸売りで認知度や売り上げを高めていく方針のようだ。
海外のチョコレートブランドと言えばまず1994年に日本法人ができたゴディバ(国内約300店舗)や、同じく1988年のデメル(24店舗)が思い浮かぶ。本国での歴史が長く、日本でも上陸前に知名度が上がっていた印象がある。
一方今回紹介したカカオサンパカは、それまでほとんど知られていなかったというところで、珍しいタイプの海外ブランドと言えるだろう。また日本の声を商品開発に生かし、いわばコラボのような商品を生み出しているのも面白い。
日本は贈答文化が発達しており、またチョコレートのイベントとして、バレンタインデーの盛り上がりは世界的にも珍しい。さらに新しいものが好きで次々と新商品を求める特性がある。
田村氏によると、こうした日本の特殊な市場にスペイン本社も期待し、注力しているところだそうだ。
さらに、日本の特性としては今回述べてきたように、「キャラクター好き」も加わる。カカオサンパカのベア型チョコレートに見られるようなキャラクター性がさらに発展していくのか否かを含め、ブランドとしてどのような特徴を発揮していくのか、今後の展開が興味深い。
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