中国恒大、清算命令を回避できるか最後の機会 重要な岐路、香港の裁判所で12月4日に審理
中国不動産危機の節目となった同国不動産開発大手、中国恒大集団のドル建て債デフォルト(債務不履行)から約2年がたち、同社は香港の裁判所での4日の審理で清算命令を回避することができるかどうかの重要な岐路に立たされている。
清算申し立ての審理は1年半近くにずれ込み、中国恒大が同社に具体的な債務再編案があることを説得力ある形で判事に示すことができなければ、清算命令を受ける可能性があることを意味する。その場合、事業の一段の混乱につながり、住宅市場のセンチメントはさらに悪化することになりそうだ。
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法律事務所アシャーストのパートナー、ランス・ジャン氏は「中国恒大が再編計画についてアドホック債権者グループの要求を満たす修正案を提示することができなければ、香港高等法院は清算命令を認める公算が非常に大きい」と指摘した。
事情に詳しい複数の関係者の話では、オフショア債権者グループは債務再編の修正案を巡る協議の一環として、恒大本体と香港上場子会社2社の支配株主持ち分を要求している。中国恒大は先に自社株の17.8%、不動産管理を手掛ける恒大物業集団と電気自動車(EV)部門、中国恒大新能源汽車集団の株式各30%分を提供する案を提示していた。
関係者によれば、約190億ドル(約2兆7900億円)相当の中国恒大オフショア債のうち、60億ドル余りを保有すると主張するアドホック債権者グループは、支配持ち分との交換を求めている。中国恒大が提案に応じたのか、合意に近づく一歩となるのかは不明だ。
クレジットサイツのシニアクレジットアナリスト、ツェリーナ・ツェン氏は、4日の審理までのタイトな期限を踏まえ、中国恒大は債権者の取り込みを狙って一段と債権者側に有利な条件の提示に動く可能性があるとの見方を示した。
陳静芬(リンダ・チャン)判事が清算命令に動いた場合、債権者や住宅購入者はさらに複雑な事態に直面することになる。大きな疑問の一つは香港の裁判所の判事が下した決定が中国本土で認められ、実施されるかどうかだ。
もう一つの疑問点として、事前販売され購入者にまだ引き渡されていない推計6040億元(約12兆4000億円)相当もの住宅の進捗(しんちょく)状況も挙げられる。
アシャーストのジャン氏は4日の審理について、「かなりの関心がある」とし、「デフォルトの規模そのものに加え、香港で選任された清算人が中国本土で認められるかどうか、市場参加者が非常に強い関心を持っているからだ」と説明した。
原題:Evergrande Faces Final Chance to Avoid Liquidation by HK Court(抜粋)
--取材協力:Shuiyu Jing、Pearl Liu.
(清算命令の場合の論点を追加して更新します)
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著者:Dorothy Ma
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