「中国の肺炎拡大」免疫低下以外に懸念される要因 見落とされている「別の問題」を医師が指摘

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

幸いなことに、中国から日本やほかの国への広がりについては、新型コロナのときのような懸念は少ないと現段階では考えられている。

マイコプラズマは昔からよく知られている一般的な病原体であり、周期的なアウトブレイクを起こす傾向があるものの、新型コロナのような新しい病原体とはまったく異なる。治療法も確立されているので、耐性菌の懸念はあるものの、現段階では過剰な心配は無用だろう。

世界的に見ると、マイコプラズマに限らず、RSウイルスを含むほかのウイルスも流行しており、この冬はあらゆる国でさまざまな病原体に直面する可能性があると予測される。

この冬に流行する感染に備える

このような状況下では、国際間での感染症対策の情報共有が重要になるだろう。結局のところ、1人ひとりとしては手洗いやマスク、換気、ワクチン接種などの感染症対策を続けるほかはない。

免疫力をつけるために、しっかりと栄養と睡眠、適度な運動をすることも重要だ。特定の病原体に対しては、新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、RSウイルスワクチンなど、各種予防ワクチンを上手に利用することもぜひ考えてほしい。

新型コロナパンデミックでは、国際間での感染症発生の情報共有体制が一気に整備されたことも心強い。感染症と人類の戦い自体に終わりはないが、国民1人ひとりも一般的な感染症予防の知識をぜひ再確認してほしい。

谷本 哲也 内科医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たにもと てつや / Tetsuya Tanimoto

1972年、石川県生まれ。鳥取県育ち。1997年、九州大学医学部卒業。医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック理事長・社会福祉法人尚徳福祉会理事・NPO法人医療ガバナンス研究所研究員。診療業務のほか、『ニューイングランド・ジャーナル(NEJM)』や『ランセット』、『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』などでの発表にも取り組む。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事