中国で急増の「呼吸器疾患」に広がる大きな懸念 情報提供を要請するも、中国には隠蔽の前歴
重要なのは、中国で病気になった子どもたちを検査し、それが既知の原因によるものなのか、あるいはそうではないのかを確認することだとマッキンタイア氏は言う。
「検査結果が繰り返し陰性となるなら、それは新たな病原体(の存在)を指し示すものとなる」
中国国民に広がる不安
中国では親たちの間で懸念が高まっているようだ。小さな診療所にかかるか、軽症の場合は自宅で過ごすよう専門家が勧めているにもかかわらず、彼らは病院に押し寄せている。ニューヨーク・タイムズに提供された北京のある病院の写真には、女性とともに床に横たわっている子どもの姿と、ロビーにできた長蛇の列が写っている。
3歳の男の子の母親ウー・スーさんは、11月2日に軽い発熱と咳の症状が現れた息子を北京児童医院に連れて行ったところ、8時間以上も待たされたと語った。男の子は後にマイコプラズマ肺炎と診断された。
「狂っている」。ウーさんは待ち時間についてそう言った。「こんなことが毎年起こったら、親たちは耐えられない」
香港大学のウイルス学者・金冬雁教授は、中国政府は現在の感染の波が新型コロナ禍前の状況より深刻ではないとする主張の裏付けとなるデータを早急に提供すべきだと述べた。
足元での感染の急増について、金氏はほかの場所で起きた同様の現象を指し示しながら、「私たち専門家の判断としては、これはそこまで大騒ぎする問題ではないかもしれない。すべては十分に予測されていた」と話した。
だが、「人々は敏感になり、過剰反応している。とにかく、人々に真実を伝えることだ」と金氏は言った。
(執筆:Vivian Wang記者、Siyi Zhao記者)
(C)2023 The New York Times
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら