【産業天気図・損害保険】震災関連の準備金取り崩しが寄与し、経常益は劇的改善。ただ海外展開加速など急務
ただ、本業は停滞したままだ。最大の主力商品である自動車保険は少子高齢化の中で若者の自動車離れが進み、販売が先細り傾向にある。一方、高齢者の事故率は上昇し、収益を圧迫する状況が続いている。このため各社は年齢別の保険料率引き上げの導入を進めており、NKSJ傘下の損害保険ジャパンが4月に実施し、MA&AD傘下の三井住友海上火災保険が10月、東京海上火災が12年1月に予定しているが、販売への影響も懸念される。
また、世界的に相次ぐ巨大災害の影響から、地震保険などの再保険料は上昇基調にある。現在、企業向けの地震保険の新規引き受けは停止状態にあるが、今後、正常化した場合、これを保険料に反映できなければ、これも収益圧迫要因になろう。
各グループは海外展開の強化に活路を見出すほか、NKSJは、これまで否定してきたNKSJ傘下の損保ジャパンと日本興亜損害保険の合併も除外せず徹底的なリストラを行うことを表明したが、各グループともさらなる統合効果の追求が求められそうだ。
(石川 正樹=東洋経済オンライン)
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