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「日本はタイやベトナムより豊かだ」という幻想 スシローも大戸屋も日本で食べるより高い

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  • 藤岡 資正 明治大学ビジネススクール教授・チュラロンコン大学サシン日本センター所長
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急速に経済力を増す東南アジアでは、企業の事業拡大スピードに人材の供給が追いついていない現実もあり、有能な人材をめぐって熾烈な競争が展開されている。

その点、日本はどうか。

高学歴労働者や起業家、意欲のある留学生にとってどのくらい魅力があるかを国際比較する「人材誘致に関するOECD指標」で、日本は25位に甘んじている。外国人留学生や修士号・博士号を取得した労働者、高度人材にとって、日本の魅力度は決して高くないことがわかる。実際に、現地の大学卒業生らに話を聞くと、就職先として日本企業の人気はいま一つだ。

その理由はいくつか考えられる。

筆者も協力したリクルートワークス研究所の調査によれば、中国、インド、タイにおける管理職への昇進年齢は日本のそれと比べて課長で約8歳、部長で約11歳も若い。経済産業省の「未来人材ビジョン」(2022年5月)で公表された給与の比較を見てみても、日本企業の部長の平均年収(1700万円)は米国やシンガポール(3000万円)の半分近くで、タイ企業(約2000万円)よりも低い。

最低賃金も同様だ。米ニューヨーク州のフードデリバリーの最低時給は2716円、豪州の最低時給は2228円であり、東京都の1113円の倍となっている。

「アジアの中の日本」

日本経済が30年にわたって停滞している間に、アジア諸国はさまざまな問題を抱えながらも成長してきた。一昔前まで「アジアと日本」といわれたものだが、今では「アジアの中の日本」といわれるほど相対的地位は低下した。

日本はいつまで「出稼ぎに行きたい国」でいられるだろうか。少なくとも「日本に出稼ぎに行きたい人は東南アジアにはまだたくさんいる」という認識は、そろそろ改める必要がある。

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