伊藤忠がビッグモーター買収!?火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」24年春までに買収判断

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一連の不正を受け、国土交通省は10月、ビッグモーターの34事業所を道路運送車両法に基づいて事業停止とした。さらに金融庁は保険業法に基づき、同社の保険代理店登録を11月30日付で取り消す方針だ。

伊藤忠商事はなぜ、そんな火中の栗を拾おうとするのだろうか。

「見送る可能性も十分ある」

同社関係者は、「今回の買収検討は創業家支援ではない。厳格なデューデリの結果、案件を見送る可能性も十分ある」と強調する。

JWPとの意見交換の中で今回の案件が浮上し、ビッグモーターのファイナンシャルアドバイザーを務めるデロイトトーマツから開示された資料を基に検証した。その結果、より詳しいデューデリを行う価値があると判断したようだ。

不祥事が続々と発覚し、ビッグモーターの店舗には金融庁の立ち入り検査が入った(撮影:風間仁一郎)

伊藤忠商事とビッグモーターには、これまで取引関係はない。だが、伊藤忠グループでは、中古車販売のほか、自動車整備、保険やローンの販売も行うなど、自動車ビジネスとの関係は深い。

イギリス最大手のタイヤ小売りであるクイックフィットも傘下に持つ。2023年8月には全国の整備工場1万1500カ所の自動車整備工場とネットワークを持つリース車両整備受託会社「ナルネットコミュニケーションズ」への出資参画を表明したばかりだった。

「商社が中古車業界に興味を持っているという話は以前からあった。伊藤忠グループは子会社のヤナセをはじめもともと自動車、中古車に強い。(今回の基本合意に)違和感はない」と中古車業界の関係者は話す。

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