大改造中の山手線渋谷「私鉄」が変えた駅前風景 かつての渋谷の雰囲気は下北沢や裏原宿が継承

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今でも渋谷は中高生から20代あたりまでの若者に支持されており、休日ともなると若いエネルギーに満ちあふれている。ただ、再開発が進捗するに従って雑然とした雰囲気は徐々に消えており、むしろ一部では高級感すら感じられる町になっているかもしれない。

渋谷センター街
渋谷のイメージを形作る渋谷センター街(筆者撮影)

田園調布や自由が丘といった東急電鉄沿線のイメージが渋谷にまで波及してきているようだ。かつての渋谷の雰囲気は、今ではむしろ下北沢や裏原宿あたりが受け継いでいる。

改良工事が進む渋谷駅 

JR渋谷駅の改良工事もかなり進み、埼京線・湘南新宿ラインホームの移設と山手線ホームの島式化で、基礎的な部分の将来像が見えてきている。今後は周辺の再開発ビルとの連絡が完成すると、地形にとらわれない、立体的になった渋谷の姿が現れるだろう。

SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE
「SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE」は新しい渋谷のランドマーク(筆者撮影)

ただ、人の流れが人工路盤に支えられているだけでは面白くない。

2023年4月には、渋谷1・2丁目の宮益坂エリアも「都市再生特別地区」に決定した。ほかの地区でも述べているが、超高層ビルを林立させるだけで、果たして街の個性、街の文化が生まれるのかどうか。

10月末のハロウィンの時期、渋谷には仮装した若者であふれていた。しかし、路上での飲酒などが条例で禁止され鎮静化している。弊害も大きかったのでやむを得ない部分もあっただろうが、路面のよさがあればこその文化。忘れないでほしいところだ。

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土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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