「スペーシア」打倒N-BOXに向け3代目ついに発表 使い勝手を追求したキープコンセプトで勝負

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またリヤシートには、左右独立式のアームレストが採用され、頭上には空調を均一に効かせるためのサーキュレーターが装備された。そのほか、拡大された乗降用グリップやUSB電源ソケット(Type-A/Type-C)の後席右側への採用など、細かい機能性の向上は枚挙にいとまがない。

後席に内蔵されるマルチユースフラップ(写真:スズキ)
後席に内蔵されるマルチユースフラップ(写真:スズキ)

運転席まわりでは、スズキの軽自動車で初めてホールド機能つきの電動パーキングブレーキとステアリングホイールヒーターを採用したことがトピック。メーカーオプションのナビゲーションシステムには、緊急通報などが利用できる「スズキコネクト連携機能」を新たに搭載する。

パワートレインは従来型のブラッシュで、大きなトピックはない。プレスリリースにも「燃焼効率を高めたR06D型エンジン(NA車)と、軽量で高効率な新CVT、マイルドハイブリッドの組み合わせにより、軽ハイトワゴンクラストップの25.1km/Lの低燃費※4を実現しました」と、たった一文が書かれているのみである。

スペーシアギアの登場も待ち遠しい

アップデートされたのは、パワートレインよりも安全装備のほう。「デュアルセンサーブレーキサポートII」となった衝突被害軽減ブレーキをスズキ初採用かつ全車標準装備。システムとしてはステレオカメラから単眼カメラ/ミリ波レーダー/超音波センサーの併用型となったのが、特徴だ。

Aピラーを細くするなど視界の改善も行っている(写真:スズキ)
Aピラーを細くするなど視界の改善も行っている(写真:スズキ)

それにより、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は「全車速追従機能・停止保持機能付」となり、カーブを認識しカーブ手前で速度を自動的に抑制する「カーブ速度抑制機能」や、車線変更時の加減速を補助する機能、割り込みなどに対する「接近警報機能」も搭載する。「車線維持支援機能」や「発進お知らせ機能」も採用され、「いま必要とされる機能」がひと通り揃った。

ラインナップは、標準モデルのスペーシアが「HYBRID G」と「HYBRID X」の2グレードで、153万100円~182万4900円。スペーシアカスタムは「HYBRID GS」「HYBRID XG」「HYBRID XSターボ」の3グレードで、180万1800円~219万3400円となる。

ボディカラーはモノトーンと2トーンが用意される(写真:スズキ)
ボディカラーはモノトーンと2トーンが用意される(写真:スズキ)

月間の目標販売台数は1万2000台というから、それではN-BOXに太刀打ちできないが「先代よりは売ってやる」という数字ではある。おそらくスペーシアギアもあとから出てくるだろうから、本気の「打倒N-BOX」はそれからかもしれない。

「ジムニー」が好調のスズキだけに、SUVテイストのスペーシアギアがどんなモデルチェンジをしてくるのか、楽しみである。

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木谷 宗義 自動車編集者

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きたに むねよし / Muneyoshi Kitani

1981年、神奈川県生まれ。大学卒業後、専門学校で編集を学び、2006年よりフリーランスの編集者/ライターとしてキャリアをスタート。取材・執筆、編集、ディレクション業務のほか、当初よりメディア運営に携わる。現在は自動車編集者として、初心者向けからマニア向けまで幅広く自動車コンテンツの制作やプロデュースを行う。type-e.inc代表取締役。

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