インドネシア高速鉄道、愛称「ウッス」開業後の姿 富裕層が車から転移、在来線特急も根強い人気
駅からしばらくは旧市街地の雑多な風景が続くが、突如、整然とした街並みと4車線道路に切り替わる。新興開発エリアだ。華僑系の不動産開発大手、スマレコンが区画整理から道路整備、住宅開発、ショッピングモールや学校建設までを手掛ける約300ヘクタールに及ぶ巨大都市開発で、その名もスマレコン・バンドン。すでに住宅と一部の商業施設などは完成しており、その他は工事の真っ最中である。
グバグデ駅からテガルアール駅までは車で10分くらいの距離である。駅の周りに何もないといわれるテガルアール駅だが、それは駅の南側のことで、新たに完成したアクセス道路でつながった駅の北側エリアはバンドン新都心として位置づけられている。テガルアール駅の券売機で改めて列車の空席状況を確認したが、唯一残席があったのは、10月末時点での最終便、19時40分発の列車のみだった。
在来線のアクセス列車は超満員
しかし、テガルアール駅から乗車する人は少なく、発車時点での乗車率は2~3割ほど。残りの乗客は次の在来線接続駅、パダラランからどっと乗車してきて、満席になった。パダラランでの停車時間は1分程度と慌ただしく、とにかく車内に入るようにアナウンスが流れる。
そもそもパダララン駅は当初、建設計画はなく、後から設置が決まった駅である。中国側としては、まさかパダラランからの利用がこんなに増えるとは思っていなかっただろう。バンドン―パダララン間を結ぶ4両編成のフィーダー快速列車は超満員である。同列車を運行するKAIは追加車両を発注しているとのことで、将来的には8両編成になるものと思われる。
ここからはわずか30分でジャカルタ・ハリムである。到着と同時に、隣のホームからは満席の状態でテガルアール行きが発車していく。筆者の乗車してきた列車も、約30分後に折り返しテガルアール行きとなる。改札前は乗車待ちの人々でいっぱいだ。一方の下車客は、4割くらいが接続路線のLRTに乗り換え、残りは駅に迎えの車が来ているか、タクシーかオンライン配車で、三々五々に散っていった。
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