BYDだけじゃない! "中国EV"は日本で売れるか 「予約時の頭金がたった1万円」の商用車も

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BYDのモビリティショーの展示車両
BYDはモビリティショーでひときわ注目を浴びた(撮影:鈴木紳平)
李克強前首相の突然の死、日本人駐在員の逮捕など不吉なニュースが続く中国。経済成長が鈍化し、直接投資が初のマイナスになった「世界の市場」から企業が逃げ始めた。
『週刊東洋経済』11月18日号の第1特集は「絶望の中国ビジネス」。共産党が経済よりも大事にしている「国家安全」は中国をどう変えていくのか? 日本企業のビジネスへの影響は? 匿名座談会や特別対談など、豊富な記事でその答えをお届けする。
『週刊東洋経済 2023年11/18特大号(絶望の中国ビジネス)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「EVによる日本の新たな未来をここから始める」

10月25日、BYDジャパンの劉学亮社長はジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)の場で、記者たちを前に胸を張って宣言した。

EV販売台数で米テスラと世界トップを争うBYDはこの日、来春に日本で発売予定である航続距離555キロメートル(自社調べ)のセダン「SEAL(シール)」に加え、SUVやコンパクトカー、ミニバンといった日本市場でも人気の車種の新モデルを一挙に出展。同社のブースには、日本の自動車メーカー幹部も多く足を運んでいた。

普及ペースが鈍い日本市場

ただ、日本市場はEVの普及ペースが鈍い。

EVの世界販売台数は2022年に700万台を突破し、乗用車市場全体の1割を占める中、日本は5万8813台で、割合は1.7%にとどまる。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の大手3社を中心にHV(ハイブリッド車)が環境にやさしい車として市民権を得ており、「世界的に見ても特殊な市場となっている」(ホンダ幹部)。

中国勢はそこをチャンスと見ている。日本車各社のEVが浸透していないうちに、先んじて市場を開拓しようとの思惑が透ける。

BYDは今年2月に日本初出店を果たしたばかりだが、25年までに100店舗に増やす計画だ。乗用車の販売台数は今年1〜9月の累計で886台だという。

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