京急、横浜の隣で「乗降人員最少」神奈川駅の風格 2022年度1日平均最下位、旧東海道の和風駅舎

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京急 神奈川駅
青木橋から見た京浜急行電鉄の神奈川駅。横浜駅からは品川方面へ1駅、徒歩でも行ける(記者撮影)
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神奈川県横浜市で生まれ育った人は出身地を聞かれると、「神奈川」でなく「横浜」と答えるという。幕末の開国前、神奈川が東海道五十三次3番目の宿場町としてにぎわっていたころ寒村にすぎなかった横浜は、いまや全国の市区町村で最大の人口を誇る。そんな因縁の神奈川と横浜という地名を冠した2つの駅が京急本線で隣り合っている。

京浜急行電鉄の京急本線は東京都心の品川と神奈川県の三浦半島を結ぶ。川崎と横浜の間ではJRと競争をするように走る快特や特急の姿がよく見られる。横浜の手前の3駅は神奈川新町、京急東神奈川、神奈川と「神奈川」が付く駅が連続する。

「神奈川」が3駅続いて横浜

神奈川新町は車両基地に隣接し、特急と普通を乗り換えたり、乗務員が交代したりと、列車の運用上の要。次の京急東神奈川は以前、宿場町らしい地名の「仲木戸」、明治の駅開業当初は「中木戸」と名乗っていた。JR横浜線・京浜東北線の東神奈川駅とはペデストリアンデッキでつながっており、2020年3月に乗換駅であることをアピールして京急東神奈川へ改称した。

一方、神奈川は普通電車でなければ、知らないうちに通り過ぎてしまう小さな駅。京急によると2022年度の1日平均乗降人員は4065人で、同社線72駅(泉岳寺を除く)で最下位になった。少ない順に並べると、71位は安針塚駅(4152人)、70位は京急大津駅(4416人)、69位は逸見駅(4472人)、68位は神武寺駅(5122人)だった。

神奈川駅と対照的に隣の横浜駅は圧倒的に首位。2022年度は27万7855人となった。京急とJRのほか、東急電鉄、横浜高速鉄道、相模鉄道、横浜市営地下鉄と、日本最多の6つの鉄道事業者が乗り入れるターミナルのにぎわいが数字からも見て取れる。

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