200人と会ってもダメ、40代女性の「結婚を阻む壁」 好きになった時のドキドキ感を求める彼女たち

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筆者の相談室に47歳で入会してきた男性がいた。年収は1000万円。彼は「子どもがほしい」と言って、最初は38歳までの女性をお見合いの対象にしていた。ところが、それではなかなかお見合いが成立しない。

そこで1年後に年齢を41歳くらいまでに広げた。それでもなかなかうまくいかない。

2年が経って49歳になったとき、47歳の女性と成婚していった。“結婚”という結果を得るためには、子どもは諦めて年齢の近い女性を選んだのだ。

なかには、子どもを諦めきれない男性もいる。4年間婚活をして4歳年をとったのに、女性の年齢は据え置きのまま。ひたすら30代にお申し込みをかけ続けているのだが、女性との年齢差はどんどん開いていくので、ますますお見合いが組みにくくなっていく。

ただ、どちらのケースにせよ、結婚という結果がほしい男性は、女性よりも婚活疲れを起こしにくく、タスクをこなすように毎月お見合いを淡々と申し込んでいく。そして、成立するとお見合いをしていく。そこから付き合いがうまくいけば、成婚していく。

対して、女性は最初に掲げた理想を貫く。年齢、見た目、年収などの条件を広げようとしない。「結婚できるのなら誰でもいいわけではなく、自分が好きになれる相手と結婚したい」と、気持ちを重要視した婚活をする。

好きになれる相手はいるのか?

好きになれる相手を探すのは、とても難しい。

これまでいくつかの恋愛してきた女性は、過去にモテていた記憶や相手、そして好きになったときのドキドキ感が忘れられず、過去と同じレベルの恋愛を求めて、どんどん出会いを続けていく。そのうち気持ちが疲弊して、婚活から離れていく。

ただ、こうしたタイプの女性は結婚を諦めたわけではない。“いつかいい出会いがあったら結婚したい”と思いながら、年齢を重ねていく。

恋愛経験もないままに年を重ね、婚活市場に入ってきた女性は、前出のさとえのように、男性に出会っても、なかなか恋愛のスイッチが入らない。そんなときに手を握られたり、肩を抱かれたりすると、男性に対して嫌悪感を抱き、“自分は結婚には向いていない”と結論づけて、婚活をやめてしまう。

結婚しないと世間体が悪いという時代は去り、結婚が個人の選択にゆだねられる時代になったからこそ、結婚することが難しくなった。

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婚活アプリにせよ、結婚相談所にせよ、婚活のポータルサイトに登録をすれば、何万人という婚活相手がいて、選べる選択肢がいくらでもあるように錯覚してしまう。だからこそ、そこから1人を選ぶのが難しくなった。

自分の掲げている条件をすべて満たしてくれる理想の相手は、まずいない。やみくもに出会い続けるのではなく、1つひとつの出会いを大切にして、対峙した相手と真摯に向き合いながら関係を築いてほしいと、筆者は願っている。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラYouTubeも開設。

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