AI時代に仕事で価値を増す「人間らしさ」の正体 外資系コンサルが教える今後の重要スキル
カリキュラムは大きく、思考に関するスキル(「クリエイティブ思考」「クリティカル思考」)と、対人スキル(「効果的なインタラクション」「効果的なコミュニケーション」)の計4つに分けられており、それぞれの手法について実践を通じて繰り返し学んでいくようプログラムが組まれている。
「クリエイティブ思考」とは、発想を膨らませることで新たな発見や問題解決を促すスキルである。サンプリング、ケーススタディといったリサーチ手法を学ぶとともに、仮説を展開することで新たな発見を促し、デザイン思考を使って問題を解決する、といった営みを学んでいく。
「クリティカル思考」とは、物事を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解するスキルである。ゲーム理論で問題を分析する、決定木を活用しながら意思決定を分析する、回帰や相関を使ってデータを分析する、といった分析能力の獲得と、帰納法/演繹法を使った正当性評価や主張の評価を論理的に展開する能力がここでは身に付く。
「効果的なインタラクション」では、他者との協働、交渉と説得、複雑系の中でのインタラクションを学ぶ。ここで特筆すべきは倫理的な問題解決の手法であろう。相手とのコミュニケーションではつねに倫理的な配慮を必要とするとともに、判断軸にも倫理感を取り入れていることから、倫理に対する重要性が見て取れる。
「効果的なコミュニケーション」では、言語を使ったコミュニケーションだけではなく、非言語コミュニケーションも併せて取り扱っている。この非言語はコミュニケーションの93%を占めるといわれているが、この技術こそが今のところ人間しか持ちえない能力だ。
自らに問い続ける力を磨く
いくらAIが高度化したとしても、最終的に仕事の中で責任を負うのは人間である。そのため人間は、AIが提示したアウトプットの良し悪しを判断せねばならない。この際、何を基軸に判断すればよいだろうか? 仕事の本質、その仕事が結果どうあるべきかが1つの鍵となるだろう。答えは、上司から引き出せるとは限らない。その場合は自らで考え、問い続けて自分なりの答えに足りうる仮説を導き出さねばならない。
この思考過程こそが人間らしさである。つねにあるべき姿を考え、自らに問い続けていく力を身に付けていこう。
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