赤羽「ドムドムバーガー復活」にファン驚喜のワケ どむぞうくんグッズも人気、物販は売上の7%に
店舗の増減は、チェーンの業績の指標として素人目にもわかりやすい。また繁華街など、アクセスのよい場所に出店すれば知名度・売り上げともにプラスに働くはずだ。
しかしドムドムでは出店に関しては慎重に構えている。
「既存店は売り上げも規模も本当に小さいところが多い。入っている施設そのものもスーパーマーケットなど小規模です。ですので、人材、オペレーション面からも、繁華街への出店や急激な拡大は今のところ難しいと考えています。無理をして打って出るとお客様にご迷惑がかかり、ドムドムのブランドを損ねることになってしまいます」(ドムドムフードサービス 代表取締役社長の藤﨑忍氏)
アイデンティティを感じさせる特徴的なメニュー
確かに、ドムドムのアイデンティティを感じさせる特徴的なメニューを見ると、店舗を簡単に増やせないのも無理はないかもしれない。
例えば「手作り厚焼きたまごバーガー」(420円)や「お好み焼きバーガー」(490円)は、調理に手間や技術が必要そうだ。
ドムドムの知名度復活に貢献したメニュー「丸ごと!! カニバーガー」も店舗で粉つけした後に揚げており、オペレーションが複雑である。
しかも同チェーンでは、月に1商品の割合で期間限定メニューを発売しており、そのたびにオペレーションの構築や人材教育が必要になる。
また店舗が少ない分、消費者との接点が限られるドムドムハンバーガーでは、他のチェーンに比べて「ブランド価値」の重みが大きいと言えるだろう。
「お客様とスタッフの人生に寄り添いながら、ブランドを育むことをコアコンセプトとしています。出店に関しても、お客様の要望に応えていくということになります。イオンスタイル赤羽店のオープニングセレモニーにも自治体の会長さんが出席され『自分たちは絶対にドムドムを入れてくれと要望した』というお言葉を頂戴し、非常に嬉しかった。そういうような店づくりをしていきたいということです」(藤﨑氏)
50年以上の歴史を持ち、一時期は全国的に展開していたことで、多くの人の記憶にドムドムというブランドが刻まれている。それも子供時代や学生時代の、かけがえのない幸せな思い出として残っていることが多い。
例えば以下に、今回の執筆にあたり協力を頂いた「ドムドムを愛する会」のコメントをいくつか紹介する。
「エキナカのドムドムかなー。地元、西国分寺駅にあったんだよね! 40年前。子供心に、ぞうのマークのハンバーガー屋さんはうれしかった」
「存在し続ける努力をしてほしい。50代の私たち世代にとってはダイエーに行くと当たり前にあったのがドムドムで、子供時代を思い出させてくれる懐かしい場所です。無理な経営をせず、一歩ずつ進んで行って欲しいです。応援しています」
いずれも50代女性からのコメントだ。小規模なグループなので意見も限られるかもしれないが、同チェーンの方針は現在のところ、これらのファンの思いと同じ道を辿っていると言えるだろう。
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