まさか自分が!?「コロナ後遺症」の驚くべき実際 「気分が落ち込む」「だるい」「集中力低下」「抜け毛」…

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息子が治療のために使っていた鼻うがいのキット。薬局で購入できます。このキットのおかげで子どもでも鼻うがいは楽にできました(写真:筆者提供)

WHOは新型コロナ後遺症(Long COVID)の定義を「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる)」としています。

なので、数カ月たってない症状は厳密には「後遺症」とは呼ばないのですが、多くの後遺症医療機関では、それ以前の時期でも後遺症として治療をしています。ただ、数カ月以内に自然に治る症例も多いようです。

ちなみに、厚労省が3つの自治体で19万人余りを対象に行った調査では、自治体によって差はあるものの、成人感染者の1~2割が「2カ月以上症状が続いた」と回答しているそう。正確な全体統計はないものの、かなりの数の後遺症患者が存在するということでしょう。

ただ、マンガでも描いたとおり、日本は後遺症治療に有利な条件が揃っているうえ、治療研究は日々進んでいます。最近はもともと認知症で使われている「ドネペジル」という薬の有効性も注目されていて、治験が行われている段階だそうです。そのほかにも有効だと思われる治療・セルフケアは増えています。

平畑先生の新型コロナ後遺症サイトもその参考のひとつになるでしょう。このサイトの中にはヒラハタクリニックさんの賛同医療機関として、全国の後遺症医療機関の紹介も載っています。こちらは病院探しで困っている地方在住の方の参考になるのではないでしょうか。

また東京都では、後遺症のリーフレットデータ公開もスタートしました。「保護者向け」「教職員向け」「企業向け」の3種類があります。これもいざというときは参考になるでしょう。

注意点としては、コロナ後遺症が適切な治療にたどりつきにくいという現状を利用して、自費での高額治療や詐欺的な治療を行うクリニックもあることです。たいていは保険治療で治るそうなので、まずは保険が使える病院で診察を受けることをオススメします。

苦しむ人が、適切な治療にたどりつけることを祈って

ところで、コロナ後遺症については「コロナ後遺症なんて存在しない!全部、ワクチン後遺症だ!」という声もたまに見かけます。ですが、うちの息子はワクチン未接種で後遺症になりましたし、平畑先生や、息子の後遺症を治してくれた先生がコロナ後遺症の治療をスタートしたのは、ワクチン接種がスタートする以前の2020年。コロナ後遺症の存在を否定するのは非科学的だと言えるでしょう。ちなみに、平畑先生のクリニックでは、コロナ後遺症とは別に、ワクチン長期副反応の治療も行っていて、その治療法はかなり重なるそうです。

5類になってもまだまだ問題山済みの新型コロナウイルス。ですが、以前より少しずつ状況は改善されていると私は感じました。いまコロナ後遺症に苦しむ人が、少しでも早く、適切な治療にたどりつけることを祈ります。

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ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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