同性婚の可否は「多数決」で決めていいのか アイルランド国民投票、ゲイ弁護士の懸念

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「同性婚を認めるかどうかは、同性カップルが結婚する権利、つまり『人権』をどう保障するかという問題です。単純な多数決で少数者の人権を認めることができるということは、逆に多数決で人権を認めないことも容認できる、ということにならないでしょうか。

今回はたまたま権利が認められたからよかったですが、もし反対派がちょっと多くて憲法改正が否決されていたらどうでしょう。『少数者の人権はなくていい』と、考える人がちょっとでも多ければ、人権が否定されてもいいのでしょうか。そう考えると、多数決という方法には、一抹の不安を感じました」

「憲法改正」という点への懸念

「もうひとつが、今回のニュースが日本で報じられたとき、『憲法を改正しなければ、同性婚ができない』という形で理解されなければいいなという点です。アイルランドと日本では憲法の中身も、改正の手続きも違うのですが、単純に同列に考える人が出てきてしまうのではないか、と。

もし日本で同性婚を認めるために憲法改正が必要だとすると、同性婚の実現が遠のいてしまう可能性があると思います」

日本国内でも「同性婚を認めるためには、憲法を改正しなければならない」という見解があるが……。結婚について定めた憲法24条について、南弁護士は次のように話していた。

「日本では憲法改正をしなくても、同性婚を認める法律をつくることができると思います。憲法24条は『両性』という言葉を用いていますが、同性婚を否定も肯定もしていないと解釈することが可能だからです」

南 和行(みなみ・かずゆき)弁護士
009年に弁護士登録。同性愛者であることを公言し2013年に同性パートナーの吉田昌史弁護士となんもり法律事務所を開設。一般民事を中心にLGBTの法律問題も多く取り扱う。http://ameblo.jp/minamikazuyuki
事務所名:なんもり法律事務所
 
 
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