ポイント新施策に込めたセブン&アイの野望
Bさんの消費行動は変わる。彼女の動線は西武百貨店に向かうことになる。このように、顧客の消費心理に訴えかけて自陣に誘うことこそ、セブン&アイが重視する相互送客。そのための先行投資がポイント優遇であり、その魅力をさらに高めるのがポイント統合というわけである。
「ポイントの魅力を高めて、グループへの顧客支持をさらに高めたい」と橋本玄セブン・カードサービス社長が語るゆえんだ。
セブン&アイ傘下で今回のサービスに参加する店舗網の年間売上高は約5兆円。各ポイントを合計すると年間発行額は約400億円に達する。ポイント発行額の正式統計はないが、一般的にはこれまで最大級といわれてきたポイント提供主体でも年間200億円程度。今回の統合戦略がいかに巨大なポイントネットワークの構築であるかがわかる。
しかも、今回の統合モデルはグループ外企業との提携を想定しており、これが具体化する可能性は高い。この動きに対して、他社グループはどう対応するのか。セブン&アイが、ポイント戦争第2ラウンドのゴングを鳴らしたことは間違いない。
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(浪川 攻 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年5月28日号)
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