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EVになった「最上級BMW」2198万円は走りも弩級 初代7シリーズを思わせる「i7」走りの正体

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ドライブした印象は、ひとことで表現するとソリッド。740dのソフトな雰囲気とは異なり、しっかりした足まわりと手ごたえのあるステアリングで、全長約5.4mの大型セダンとは思えない走りを味わわせてくれる。

i7のダイレクトな操縦感覚は、“ザ・ビーエムダブリュー”と言いたくなるものだ。1977年に登場した初代7シリーズも、こんな印象のクルマだった。

具体的な指摘をできるほど鮮明な記憶を持ち合わせていないのだが、パワフルなエンジンとダイレクトなステアリングと、硬めのサスペンション(特にリヤ)……。「でっかいのに速いなぁ」と感心したことを、およそ40年たった今も覚えている。

1977年に登場した初代7シリーズ。735iなどが日本でも販売された(写真:BMW)

M70に話を戻すと、2760kgもの重量級にもかかわらず、アクセルペダルを踏み込んだときの加速は、「3.8秒」という0-100km/h加速の数値をすぐに思い起こさせるものだった。

アクセルペダルを床まで踏み込む必要はない。踏み込んだときの速度もパラメーターにしているのだろうか。ある程度のところまでパッと踏むと、その加速感はロケットのようだ。

日本より速度の高いヨーロッパの道とはいえ、M70の加速感は多くのドライバーの想像を超えているのではないか。なにしろ、周囲の交通があっというまに後ろに退いてしまうのだから。

335kWのi7 eDrive50に対して485kWのM70はフロントフェイスもアグレッシブな印象(写真:BMW)

そんな加速感だから、「万が一、自分の前に車線変更してくる車両がいたら……」などと考えるとオソロシクなり、加速中はかなり緊張する。それほど速いのだ。

決して中途半端ではない作り込み

BMWは、新型7シリーズをエンジン専用にも、BEV専用にもしなかった。ドライブトレインの一部を共用するロールス・ロイス「スペクター」がBEVモデルとなったのに対して、さまざまなニーズに対応するため、手間とコストが余計にかかる作りわけをしたわけだ。

日本でも2023年6月30日にお披露目されたロールス・ロイス スペクター(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

そこで気になるのが、「中途半端なクルマになっていないか」ということだが、M70を体験すると、中途半端感はまったくなかったといえる。

EU域内だけとっても、充電インフラが完備されているとはいえない現況で、長い距離を走るグランドツアラーを完全に電動化してしまうのは、やっぱりかなりの冒険なのだろう。

そんな状況を背景に、エンジンモデルもBEVモデルもキャラクターをしっかりわけつつ、高いレベルで作りあげた。それがi7 M70 xDriveに乗ってみての総じての印象だ。

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「BMW車には過去のヘリティッジがあり、それは守らなくてはいけない。でも、そのうえで新しいものを築いていくのは、予想以上に楽しい作業でした」

エクステリアデザインを手がけたクリストファー・ワイル氏は、リスボンでそう語ってくれた。この強固なラインナップを作りあげたBMWの技術力は、現在の混沌とした状況を突き抜けていく際立ったパワーになりそうだ。

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