EVになった「最上級BMW」2198万円は走りも弩級 初代7シリーズを思わせる「i7」走りの正体

✎ 1〜 ✎ 66 ✎ 67 ✎ 68 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
サイドウインドウのグラフィクスは伝統的なBMW車のデザインが継承されている(写真:BMW)
サイドウインドウのグラフィクスは伝統的なBMW車のデザインが継承されている(写真:BMW)

2023年9月に私がポルトガル・リスボン近郊で乗ったM70は、ピュアEV(BEV=バッテリー駆動EV)としてi7の可能性をより広げたモデルだ。別の言い方をすれば、「電動化による高性能の追求」である。

バッテリー容量は、105.7kWh。駆動用モーターの最高出力は485kWで、最大トルクは(スポーツブースト機能を使ったときで)1100Nmという途方もない数字。静止から100km/hまでを3.8秒で加速する一方、満充電からの走行距離は、最大で570キロに達するとされている。

「BMWのBEV史上、最もパワフルなモデル」とプレスリリースに書かれているM70は、サブネームに「M」を冠するだけあって、パワートレインから足まわりにいたるまで、スポーティな仕様だ。

電力密度を高めた駆動用モーターも、サスペンションシステムも、「Mスポーツブースト」や「Mローンチコントロール」といった機能も、すべてスポーツ走行のためのもの。

ダッシュボードの一部はドライブモードを「スポーツ」にするとM社のコーポレートカラーである赤と青のイルミネーションになる(写真:BMW)
ダッシュボードの一部はドライブモードを「スポーツ」にするとM社のコーポレートカラーである赤と青のイルミネーションになる(写真:BMW)

サスペンションシステムは、アダプティブ機能を備えた2軸のダンパー。アクティブステアリングシステム、それにアクティブロールコントロールなどを含めた「エグゼクティブ・ドライブプロ」も搭載されている。

21インチのロードホイールはM専用で、さらにi7シリーズ中では初めてM70にハイスペックスなスポーツタイヤが用意されるという。ブレーキも、M社によるチューニングが施される。

31.3インチ「シアター・スクリーン」とともに

スタイリングも、もちろんM仕様。フロントエプロンやエアディフレクター、アウトサイドミラー、それにリヤのエプロンとディフューザーもMモデル専用なので、一見して特別なモデルであるとわかる。

グリルもM70独自のもので、輪郭だけがLED照明に縁取られて輝くパッケージを選ぶこともできる。

インテリアは、7シリーズに共通する広いスペースと、豊富な装備が印象的だ。BMW OS8.5によって、多様なデジタルコンテンツが楽しめるようになっている。

31.3インチのBMW シアター・スクリーン。エグゼクティブ・ラウンジ・シートと相まってプライベートシアターのよう(写真:BMW)
31.3インチのBMW シアター・スクリーン。エグゼクティブ・ラウンジ・シートと相まってプライベートシアターのよう(写真:BMW)

とはいえ、リスボンでの試乗では、走ることに夢中になってしまい、デジタルコンテンツを試す暇はなく、Bowers & Wilkinsのオーディオで音楽を聴くのがせいいっぱい。音が前から聴こえてくる設定の、臨場感ある音場づくりが好ましい。

ほかにも、ゲームやビデオなど、さまざまなコンテンツが楽しめるアプリが搭載されているのだが、後席用に天井から展開する31.3インチのBMW シアター・スクリーンによる視聴とともに、じっくりこのクルマとつきあえるオーナーにだけ許された、i7の楽しみなのかもしれない。

次ページ初代7シリーズを思い出す“ザ・ビーエムダブリュー”の感覚
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事