三菱商事が電撃退会!「日本風力発電協会」の疑惑 秋本議員「汚職事件」にからみエネ庁が行政指導
また、JWPAは2022年2月に洋上風力の入札ルール見直しを求める政策提言を発表。その後、会員企業の間で意見が割れた「落札制限」について賛同を表明するなど、協会の意見集約が適切に行われていないと指摘する声が強まった(詳細は「東洋経済オンライン」の右記事参照:議員へ贈賄疑い、「日本風力開発」政財界での影響力)。
東洋経済は、JWPAの主な会員企業に対して質問状を送付。「秋本議員の贈収賄事件についてJWPAが説明責任を果たしているのか」「意見集約が適切に行われているのか」などを質問した。10月16日までに複数の企業から回答を得た。
贈収賄事件に関する説明が十分だったかについて、再エネ大手のレノバは「回答を差し控える」とした。
一方、三菱商事は「一連の報道が与えた印象を払拭するに足る説明は(JWPAから)なされていない」と答えた。
また、エネ庁による行政指導の1週間前に当たる10月10日、三菱商事がJWPAから退会したことが関係者への取材で判明した。同社に退会理由を聞いたところ、「JWPAの活動方針について、当社と意見の食い違いがあるため」と説明している。
エネ庁「行政指導」を受けて運営体制を見直し
三菱商事がJWPAから退会した余波は今後、業界に広がりそうだ。
JWPAは加藤代表理事(日本風力開発出身)の退任により、副代表理事だった山田正人氏(風力タービンメーカーであるMHIベスタスジャパンの社長)が代表理事代行に就任した。
エネ庁から「第三者の関与の下での検証等」を求められたJWPAは、10月中に外部専門家が参画した「協会のあるべき姿検討会(仮称)」を立ち上げ、同検討会での議論について年内をメドにまとめる方針だ。
ただ、JWPAの不透明な「活動の在り方」に対する不満の声はほかの会員企業からも上がっている。ある大手企業幹部は、「(JWPAとは別に)業界団体を立ち上げる話が持ち上がったほどだ」と話す。三菱商事のように、今後、JWPAから退会する企業が出てきてもおかしくはない状況だ。
JWPAは組織が空中分解する瀬戸際にあることを自覚し、本当に一から出直すことができるのか。結果が出るのはそう遠くない。
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