三菱商事が電撃退会!「日本風力発電協会」の疑惑 秋本議員「汚職事件」にからみエネ庁が行政指導

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これまで贈賄が取り沙汰されてきた日本風力開発だけでなく、業界団体であるJWPAが行政指導を受けたことには大きな意味がある。

JWPAは風力発電の業界団体で、メーカーや発電事業者をはじめ500社を超える企業などが加盟。洋上風力の普及拡大に向けて政策提言などを行ってきた。ただ、「日本風力開発の色が強い」(複数の業界関係者)ことから、一部の事業者の利益を優先しているのではないかとの懸念がつきまとっていた。

協会が国会質問の事前調整や原案・資料を作成?

10月18日に加藤仁代表理事が退任するなど、協会は運営体制を大きく見直した(写真:編集部)

今回、エネ庁が問題視したのは、まさしくJWPAの「意思決定及び活動の在り方について」だった。

贈収賄事件の大きな転換点となったのは、国内初となる大型洋上風力の事業者公募結果の公表だった。2021年12月末に三菱商事などの企業連合が秋田県、千葉県の3海域を総取りし業界に激震が走った。この「三菱ショック」で洋上風力への事業参入の目論見が打ち砕かれた企業の一つが日本風力開発だった。

この直後から「入札ルール自体を見直すべきだ」との論が一部の事業者の間で大きくなっていった。そして、2022年2月17日の衆院予算委員会で、秋本議員は「評価の仕方を見直していただきたい」などと萩生田光一経産相(当時)に繰り返し迫った。

朝日新聞などの報道によると、日本風力開発はJWPAを介して秋本議員に対して国会質問の事前調整や、原案・資料の作成を行っていたとされる。東洋経済はJWPAに対して、「秋本議員や他議員の国会質問で質問原案や資料を作成し、提供したことはないのか」と質問したが、協会は「説明を控える」との回答だった。

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