ジャニーズ、にじみ出る「怒り」が危険である理由 「NGリスト」騒動よりもっと深刻な問題
山田将之CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)による関係者へのヒアリングをベースにしたものだけあって、文書は時系列で細部まで記載され、多少の不満があったとしても、追加の質問を要するような不足は感じさせませんでした。
また、5で挙げたFTIのマネジメントはプロとは思えない杜撰なものだけに、「管理責任はあるのはわかっているが、それでもしっかり釈明しておきたい」という思いがひしひしと伝わってきます。ジャニーズ事務所にしてみれば、「弁護士から紹介された会社がひどい仕事をして迷惑を被った」と言いたいのでしょう。
2トップの経験とスキル不足を立証
しかし皮肉にも、その釈明がガバナンスの甘さを裏付ける形になってしまいました。ビジネスパーソンから見たら今回の件は、「管理責任があることくらいわからなかったのか」「使った業者が悪ければ責任を負うのは経営者」と感じるのではないでしょうか。
深刻なのは、会見のときから言われ続けてきた「新体制のトップ2人が経営の経験やスキルのないタレントでは厳しい」という声を立証してしまったこと。2人への懸念が増し、信頼性に欠ける状態で、被害者救済や再発防止、新体制のガバナンスをスタートさせることになってしまうことが致命的なのです。
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