JR南武支線に「新潟の引退車両」を投入した事情 ワンマン対応2両編成、路線の条件似ている?
この2編成は2022年に一度運行を終了したが、同年6月に上越線で発生した落雷によって現行車両のE129系が使用不可能になった際、4両編成で越後中里―長岡間を代走して鉄道ファンの注目を集めた。そして、この代走を終えてからしばらく経った2023年2月17日、JR東日本横浜支社はE127系0番台を南武支線に投入することを発表、7月24日に運行開始日を発表し、9月13日から運行を開始した。転用にあたり、新潟時代のV12編成はV1編成、V13編成はV2編成と、編成番号が改められている。
E127系が導入されるまで、南武支線は205系1000番台のみが活躍していた。これは「クモハ205」「クモハ204」の2両編成で、どちらも電動車のため、加減速性能はほかの205系よりも強力だ。3編成存在したが、E127系の導入によって2編成が置き換えられた。
「2両ワンマン」で比較的新しい車両
地方出身の車両が首都圏に転用されるのは珍しいことだが、なぜこの車両が選ばれたのだろうか。JR東日本横浜支社によると、「E127系は機器更新を行ってからさほど時間が経っておらず、2両編成でワンマン運転を行っている弥彦線・越後線・上越線等と運用形式が近いことから、転用を決定しました」とのことだ。
実際に、V1・V2編成(旧V12・V13編成)の更新は2017年に行われており、現時点で10年も経っていない。運用も、南武支線は新潟エリアと同様に2両編成のワンマン運転を行っており、E127系は南武支線の条件に合っている。
南武支線への転用にあたっては、行き先方向幕交換、防犯カメラ設置と室内灯のLED化に加えて転落防止幌を取り付け、セラミック噴射装置(滑走を防ぐ装置)、前面幌、整理券発行機および運賃表の撤去を行った。かつて緑の濃淡の帯をまとっていた外観は、南武支線の黄色と青緑の帯に変更された。
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