JR南武支線に「新潟の引退車両」を投入した事情 ワンマン対応2両編成、路線の条件似ている?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、新潟時代に使用されていた、乗客がドアを開閉できるボタンは撤去せず使用可能な状態で残っている。ドアボタンは、南武支線では「基本的に使用することはございません」(JR東日本横浜支社)。しかし、車内の温度維持や台風等の災害時に、乗務員の判断でドアをボタンで開閉する半自動扱いにする可能性はあるという。寒冷地出身の強みが生きることがあるかもしれない。

E127系 小田栄駅
小田栄駅を発車した南武支線のE127系(筆者撮影)

制御機器に関しては、205系が「界磁添加励磁制御」だったのに対し、E127系はVVVFインバータ制御だ。JR東日本はE127系の導入によって「消費電力を抑制」「環境性能を向上」「故障に強い」という点をニュースリリースなどでアピールしている。実際にどの程度の効果があるのか聞くと、主回路効率および回生ブレーキの回生率が向上するため、205系と比べて約20%の省エネ効果があるという。また、変化する点として省エネ化のほか、加減速制御のスムーズさを挙げた。利用者目線としては、加減速がスムーズになったのは乗っていてもわかりやすいだろう。

3ドア車の乗り降りはスムーズか

E127系0番台が南武支線で運行開始した9月13日、筆者も現地を訪れた。車内は新潟時代と見た目は大きく変わっていないが、2号車(クハE126)のトイレは業務用室に変わっており、一般客が入れないよう封鎖されている。一方、車内照明はLEDに変更され、新たに防犯カメラも設置されている。

実際に乗車してみると、205系が加減速を始めるタイミングで発生していた「ガクッ」という揺れが改善されており、ゆっくりとはいえなめらかに加速した。駅停車時もスムーズな減速を体感した。

E127系運行初日の浜川崎駅
E127系運行開始初日、9月13日の浜川崎駅。地元民や通勤利用者に加えて多くの鉄道ファンも見られた(筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事