1ドル150円を再突破!円安と日本経済が持つ課題 日米金利差も国際収支も日本の実力が問題だ

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円安 1ドル150円 為替
1年ぶりに1ドル150円を突破した円安。短期的な要因と長期的な構造要因がそれぞれある。写真は2022年10月(撮影:今井康一)

10月3日のニューヨーク外国為替市場で円相場が乱高下し、ドル円相場は一時的に節目となる1ドル=150円台まで下落した。その後は147円台に急上昇し、再び149円台に下がるなど激しい値動きが続く。

乱高下には日本政府による為替介入が疑われたものの、4日午前に鈴木俊一財務大臣は有無について「答えない」とした。円安自体については「市場の動向を極めて注意深く緊張感をもって見ている。過度な変動が起きたときはあらゆる対応を排除せずしかるべき措置をとる」として、口先介入の警告では高いレベルを維持する。

短期ではアメリカ経済の強さを意識

足元の円安はドルの強さが背景との見方が根強い。実際に円以外の主要通貨に対してもドル高が進んでおり、ユーロドルも年初来安値の更新が続いている。ドル独歩高の背景には金融市場でアメリカ景気の強さが続くと意識されていることがある。

アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は9月に行ったFOMC(連邦公開市場委員会)で経済見通しを上方修正した。6月時点では2023年の経済成長率を前年比1%増と予想していたが、2.1%増に引き上げ、2024年も同1.1%増から1.5%増とした。

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