「根拠なしでOK」子どもの自己肯定感を育てる利点 親の自己肯定感が低くても高い子どもに育てられる

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どんなに小さな子にも、先に挙げた7つの経験はあるはずです。

もちろん、これをやったからといって急に自己肯定感が上がるわけではありませんが、この振り返りを繰り返すことで、気づかぬうちに自分自身を認めることができるようになります。ぜひ、試してみてください。

「悪いことをしたときに叱る」は間違い!

褒められることと叱られること、あなたはどちらのほうが、自己肯定感が上がると思いますか? ほとんどの人が「褒められること」と答えるはずです。ところが、日本の多くの親が、「悪いことをしたときに叱るのが子育て」だと考えています。

もちろんそれも必要なことなのですが、その逆、つまり子どもが無意識にしている「いい行動」を出し惜しみすることなく褒め、それがどのようにいいことなのかを伝えることも大切です。そうすることで自己肯定感は上がりますし、無意識にではなく意識的に「いい行動」をとれるようになるからです。よく、「褒められないとやらない子になると思うので、褒めすぎないようにしている」と言う人もいますが、「褒め続けていれば、褒めなくても行動できるようになる」が正解なのです。

また、日常的に褒められて育った子どもは「褒められることを素直に受け入れて喜ぶ心」を持っています。この心を持っていると、褒められるたびに「自分は人の役に立っている」「自分は親やまわりの人から愛され、大切に思われている」という意識が醸成され、より自己肯定感が上がるのです。

講演やセミナーでこの話をすると、「どうやって褒めればいいかわからない」と言う人がいます。特別難しいことはないのですが、日本人は褒められることに慣れていない人が多いので、褒めるタイミングをよく逃すし、褒め言葉のバリエーションも少ないのが現実です。また、せっかく他人に褒めてもらっているのに、謙遜して子どもの前でその褒め言葉を否定してしまう親もたくさんいます。

私も子育てをはじめたばかりのころは、褒めるのも褒められるのも苦手でした。しかし、アメリカで出会った親たちを見て、「そこをそういう視点で褒めるのか!」と真似ているうちに、徐々に褒め言葉のバリエーションも増え、褒め上手になりました。

実際、アメリカでは、親が大げさなくらいに自分の子どもを褒める光景をよく見かけます。さらに、ママ友やパパ友などの他人にも、子どもの目の前で「親バカ」をはるかに超えるような自慢をすることに驚きました。

たとえば、道端で会った近所の人と立ち話をしていたら、「うちの子、サッカーのドリブルがとてもうまくなったのよ。見て!」と、子どものドリブルを延々と見せられたことがありました。

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