アベノミクスによる景気回復、そしてコロナ禍と激動の時期をくぐり抜けてきた日本企業。過去10年間の純利益を調査したところ、累計で赤字となった会社は315社あった。本稿では赤字額が大きい順にランキングを作成、うち上位100社を紹介する(1兆円超え61社「10年累計の純利益」トップ300社はコチラ)。
苦しい10年となった液晶パネル大手
首位と2位には、液晶を手掛けるジャパンディスプレイとシャープがランクインした。ジャパンディスプレイはモバイル向けの液晶事業から撤退、JOLEDから有機ELディスプレー開発事業を譲り受けて再起を図っているが、赤字解消のメドはついていない。
シャープは2023年3月期に液晶関連で巨額の減損損失を計上したことが大きかった。液晶事業は依然として苦しいものの、他事業が牽引する形で、今2024年3月期の黒字化を見込んでいる。
3位の楽天グループは2020年4月に携帯電話事業「楽天モバイル」を本格的に開始して以降、純損失が膨れ上がった。それまで積み上げてきた利益を食いつぶした結果、10年累計でも赤字となっている。
ランキングには、コロナの打撃が大きかった外食企業やホテルも目立つ。ただ、これらの業態は足元で改善に向かっており、巻き返しに期待したい。