損保が自動車販売会社向け取引でカルテルの疑い 「ビッグモーター不正」問題による混乱に拍車

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ケーユーHDは、カルテルによって割高な保険料で契約を結ぶことになったとみられる。そのため大手損保3社は、独占禁止法違反で公正取引委員会から課徴金処分などを受ける可能性がある。

折しも中古車販売業界は、ビッグモーターやネクステージ、グッドスピードなど大手事業者の間で、車両修理費(保険金)の水増し請求や契約の捏造といった不正行為が相次いで発覚し、社会問題化している。

中でもビッグモーターと損保ジャパンは、保険金の不正請求をめぐり「癒着」していたことが判明しており、両社とも社長が引責辞任を迫られる事態に発展した。

ケーユーの有価証券報告書
ケーユーHDの有価証券報告書に記載されている「大株主の状況」をみると、株式の保有比率が8.57%(2023年3月末時点)の損保ジャパンが第2位株主。保険会社の中でいちばんの大株主だ(記者撮影)

不正行為の実態調査に影響も

損保ジャパンは、親会社のSOMPOホールディングスと連携しながら、弁護士による外部の調査委員会を設置。ビッグモーターだけでなく、そのほかの自動車販売業者における不正な取引の有無や、その真因について調べを進めている。

疑義が浮上した保険料カルテル問題で、ケーユーHDはいわば被害者だ。だが、ビッグモーターに端を発した不正行為の問題では、今後調査の対象に入る見通しのケーユーHDは、損保側からともすると問いただされる側の立場になる。

カルテル行為によってケーユーHDの不興を買うという混乱状態の中で、損保ジャパンは厳正かつ公平な姿勢で、調査に臨むことが果たしてできるか。損保ジャパンと同様に実態調査を進めている、東京海上、三井住友海上も今後難易度の高い対応を迫られることになりそうだ。

中村 正毅 東洋経済 記者

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なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

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