NVIDIA「好調すぎる業績」、その軌跡を読み解く 生成AIブーム、GPUを利用した学習は不可欠

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そして、今年の初めに発生した生成AIブームがさらにNVIDIAをもう一段階引き上げた。生成AIは、2010年代にブームになったAIの延長線上にある技術で、従来のAIにあるソフトウェアを構築しようとすると、GPUを利用した学習は不可欠。さらに生成AIではその学習に利用するデータ量が、従来のAIに比べてさらに巨大化しているため、ますますGPUへの需要が高まる。そうした好循環が発生している結果がデータセンター向け半導体事業の売り上げ倍増という結果となって表れている。

その結果こうしたAIブームが発生する前の2008年8月には3ドル前後だったNVIDIAの株価は、2010年代終わりには60ドル前後まで高騰し、2020年に入って100ドルを超え、直近では450ドルを超えている勢いで、この15年で株価は約150倍という勢いだ。

カリスマリーダーの「革ジャンCEO」

そうしたNVIDIAを創業以来率いているのが、共同創業者で、現在もNVIDIAのCEOを務めているジェンスン・フアン氏だ。台湾系移民のフアン氏は、子どもの頃に台湾からアメリカに移住し、コンピューターエンジニアとしてのキャリアをスタートし、30歳の1993年にNVIDIAを創業し、30年かけてNVIDIAを今の時価総額約1.2兆ドルの企業に育てあげたカリスマ経営者だ。

公的な場に現れるときには、常に革ジャンを着て登場するため、「革ジャンCEO」のニックネームを持つフアン氏は、今やハイテク業界のカリスマ経営者の一人だが、ファイナンスも含めて企業統治の能力があるだけでなく、技術の動静を見抜く能力があるのがフアン氏のCEOとしての強みだ。

Googleが8月末にサンフランシスコで開催したGoogle Cloud Next'23の基調講演にサプライズ登場した、NVIDIAのジェンスン・フアンCEO(右)とGoogle Cloudのトーマス・クリアンCEO。こうして公の場に登場するときはいつも革ジャンを着ているので「革ジャンCEO」のニックネームも(筆者撮影)

GPUにAI学習を超高速に行う仕組みを提供するCUDAを、当時スタンフォード大学の研究員だったエンジニアを引き抜いて完成させ、後のAIブームでNVIDIAが大躍進する基礎を作らせたのはその代表例と言える。

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