さらばランエボ!君は本当に偉大だった 三菱自動車の高性能車が残した23年の功績

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思えば筆者が自動車メディア業界に身を投じたのも1992年の春だ。同じ時代を送り、ずっと関心を持って接してきたランサーエボリューションが消滅してしまうのは寂しいかぎりである。ここで改めてその歴史と功績を振り返っておきたい。

初代は3日間で2500台が完売

そもそも「ランエボ」または「エボ」などの愛称で親しまれるランサーエボリューションのような車が誕生した理由は、WRC(世界ラリー選手権)を戦うためだ。当時ひとクラス上のギャランでWRCに参戦していた三菱は、より軽量で機動性に優れるランサーをベースに、ギャランでもすでに高く評価されていた4G63型という高性能エンジンを搭載しようと考えた。

初代ランサーエボリューション(写真:三菱自動車ホームページより)

そうして開発されたのが、初代ランサーエボリューション。1992年秋に世に送り出され、これが驚くほど売れた。当初の予定だった限定2500台はわずか3日間で完売し、さらに追加生産。最終的に当初の予定の3倍を超える販売台数をマークした。何しろ、当時のランサーはトヨタ自動車でいえば「カローラ」とほぼ同じクラスの小型セダンの車体に最高出力250馬力のハイパワーエンジンを搭載したのだ。なんともすさまじいモデルの登場だった。

そしてランサーエボリューションは「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅳ」……などとモデルチェンジで進化を続けるとともに、同じ境遇から生まれたスバル「インプレッサWRX」と宿命のライバルとして対決を演じていく。

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