医師が教える認知症、日常の兆候で早期発見のコツ 症候の出方はさまざま、細かな変化を見逃さない

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公益社団法人「認知症の人と家族の会」が作成した「早期発見の目安」というものがあるので、それを認知症の可能性を考える手がかりにしてもよいかもしれません。

出所:『認知症になる48の悪い習慣 ぼけずに楽しく長生きする方法』

※外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

認知症の症候として、よく「もの忘れ」が挙げられますが、認知症の種類によって、症候の出方はさまざまです。

代表的な認知症の種類として、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」が挙げられます。ここではその4種類それぞれの症候について詳しく見ていきましょう。

忘れていること自体を忘れるアルツハイマー型

●アルツハイマー型認知症の症候

アルツハイマー型認知症は、軽度の段階から記憶を司る海馬が損傷するため、人、場所、時間に対するもの忘れ(見当識障害)の症状が顕著です。後述の長谷川式簡易知能評価スケールの設問においては、「遅延再生」という課題が早期から障害されます。新しく体験したことを覚えることができなくなり、忘れていること自体を忘れ、取り繕うようになります。

例えば、昼食で何を食べたかを忘れるのではなく、昼食を食べたこと自体を覚えていない、何度も同じ話をする、自分で片づけたことを忘れて探し物をしてしまうといった症状が見られます。人によっては、そのもの忘れをごまかすために取り繕った態度を取る場合があります。

また、症状が進行すると「もの盗られ妄想」を生じやすいのも、このアルツハイマー型認知症です。

出所:『認知症になる48の悪い習慣 ぼけずに楽しく長生きする方法』
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