「ゴディバのパン屋」大ヒット、日本ならではの訳 「パンもチョコも売れない」8月開店でも大盛況
コロネはクリームにチョコバーを入れており、多彩な食感を楽しめる。コロネは日本生まれのパンで、誕生は明治期と言われている。カレーパンは、スパイスとチョコのハーモニーを楽しめる配合を見極めることが特に難しかった。完成したパンは、豆乳生地のパンにカカオ生地の帽子を被せ、中にチョコを入れて焼き、カカオ分55%のチョコレートを加えたカレーフィリングを注入する。
「カカオフルーツのクリームパン」は、ライチのような香りがするカカオの果実を絞ったジュースをカスタードクリームに練り込み、爽やかな味わいに仕上げている。
カレーパンは1927年に東京・深川のパン屋で誕生し、クリームパンは、新宿中村屋が1904年に開発した。日本生まれの菓子パン・総菜パンに、ベルギーチョコレートのブランドが新しい発想を加えたパンなのである。開発に当たったのは、ゴディバ ジャパンの商品開発を担うエクゼクティブシェフで、南フランス生まれのヤニック・シュヴォロー氏と、ゴディパン本店シェフの千葉県生まれの高山弘明氏だ。
2年前から構想を練り始め、昨年6月から開発を始めたパン屋の開業場所に東京交通会館を選んだのは、有楽町が人通りの多い商業地であると同時に生活圏でもあるから。また、ビル自体が1965年竣工の歴史を持ち、伝統と新しさの融合を目指す同店の考え方ともマッチした。焼き立てを提供したかった同社にとって、約30坪の床面積も魅力だった。そのうち約20坪を厨房に当てている。
男性リピーターも多い
今後の目標は5年で20店舗に広げることだが、展開の仕方やタイミングについては、開業ブームが落ち着いてから定める予定だ。「すでに何回か来てくださっているお客さまもいらっしゃり、私が店頭に立った折、個数制限についてお詫び申し上げると、『いいの、明日また来るから』とおっしゃったお客さまもいらっしゃいました」と手応えを話す奥村氏。
最初の数日は新規の来店者が多かったが、その後はゴディバブランドのリピーターと半々ぐらい。また、従来の顧客は女性が8割ほどを占めるが、ゴディパンの来店者は男性も多い。日本でのヒットぶりは、他国のゴディバからも関心を持たれているという。
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