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「夫婦の老活」で今から決めておきたいこと 新NISAでは50~60代でも積立・運用はできる

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井戸美枝(いど・みえ)/ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。兵庫県神戸市生まれ。 生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。経済エッセイストとして活動し、人生の神髄はシンプルライフにあると信じる。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)など著書多数

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人生100年時代。親の終活と夫婦の老後は、多くの者にとって避けることができない。インフレの進行や忍び寄る増税を前に、不安はますます募る一方だ。
ファイナンシャルプランナーでもあり社会保険労務士でもある井戸美枝氏は、今年5月に『親の終活 夫婦の老活  インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)を刊行。夫の事故で向き合わざるをえなくなった、いずれ来る自身の”おひとりさま”生活を糧に、事前の準備の必要性を説いている。
なお井戸氏は週刊東洋経済10月21日号(10月16日発売)「新NISA革命」でも記事「新NISAとiDeCoの使い分け」を寄稿している。今回改めて井戸氏に対し、老後と資産運用の備えについて聞いた。

人生=想定外の連続にどう備えるか

週刊東洋経済 2023年10月21日号の特集は『新NISA革命』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバー常備店はこちら

━━井戸さんは著書で、2022年秋に「夫が散歩中に転倒、右足の骨折で救急搬送から全身麻酔手術にまで至ったことが契機になった」と記しています。

人生とは想定外の連続です。想定外の事態に対していかに備えるか。私の場合、子どもが独立して、夫婦2人で平穏な生活がこのままずっと続くものと思っていました。

それから突然の一人暮らしが始まり、引っ越しとその手配、神戸と東京の往復などを、しんどかったですが、ひとつひとつ乗り越えました。けれども、一度経験してしまえば、次の想定外への糧になるのです。

━━「妻がおひとりさまになったら」の章では、妻の老後には「前期」と「後期」がある、と興味深い示唆をしています。

「前期」は夫がいる期間で、夫の介護や看取りを経験する。中心になるのは妻で、いろいろ取り仕切る人も少なくありません。しかし、「後期」は夫を看取った後、おひとりさまになってから訪れます。いつまで生きるかは誰にもわかりません。

妻が自分で最期を過ごしたい場所はどこか、どんな終末期を送りたいか、在宅死を望む場合はどうするかなど、子どもなど家族と相談しておくといいでしょう。子どもなど自分の後継者がいない場合、葬儀など死後の手続きを代行してくれる人が必要になってきます。

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