人生=想定外の連続にどう備えるか
━━井戸さんは著書で、2022年秋に「夫が散歩中に転倒、右足の骨折で救急搬送から全身麻酔手術にまで至ったことが契機になった」と記しています。
人生とは想定外の連続です。想定外の事態に対していかに備えるか。私の場合、子どもが独立して、夫婦2人で平穏な生活がこのままずっと続くものと思っていました。
それから突然の一人暮らしが始まり、引っ越しとその手配、神戸と東京の往復などを、しんどかったですが、ひとつひとつ乗り越えました。けれども、一度経験してしまえば、次の想定外への糧になるのです。
━━「妻がおひとりさまになったら」の章では、妻の老後には「前期」と「後期」がある、と興味深い示唆をしています。
「前期」は夫がいる期間で、夫の介護や看取りを経験する。中心になるのは妻で、いろいろ取り仕切る人も少なくありません。しかし、「後期」は夫を看取った後、おひとりさまになってから訪れます。いつまで生きるかは誰にもわかりません。
妻が自分で最期を過ごしたい場所はどこか、どんな終末期を送りたいか、在宅死を望む場合はどうするかなど、子どもなど家族と相談しておくといいでしょう。子どもなど自分の後継者がいない場合、葬儀など死後の手続きを代行してくれる人が必要になってきます。
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