株の売買手数料ゼロの「ゼロ革命」を仕掛けたSBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝氏。SBI新生銀行から半導体まで、すべてを語った。

北尾吉孝(きたお・よしたか)/SBIホールディングス会長兼社長。1951年兵庫県生まれ。74年慶応大学経済学部卒業後、野村証券入社。95年ソフトバンク常務取締役等を経て、99年からソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)社長。(撮影:尾形文繁)
2024年1月からいよいよ「新NISA(少額投資非課税制度)」がスタートする。株や投資信託で儲かっても、1人生涯1800万円まで無税という、大盤振る舞いの新制度だ。週刊東洋経済10月21日号では『新NISA革命』を特集。新NISAの仕組み、ネット証券の選び方、6000本ある投信からプロがお薦めする7本、投信ランキングBEST200など、資産運用の現場で今何が起きているか、その最前線を追った。
──新NISA(少額投資非課税制度)の開始直前に国内株の売買手数料を無料化しました。
日本の最大の資源は金融。これをいかに活用して国民の所得を増やすか、ベンチャー企業を育てていくかということを考えなければならない。今回NISAの制度改革があったということには非常に大きな意味がある。
そのタイミングをうまく利用して国民の資産形成に貢献する。「手数料ゼロ化」は大きな意味を持つと考えている。国民がもう少し資本市場に目を向ける大きな転換点になっていかなければならない。それが私が「ゼロ革命」と名付けたゆえんだ。手数料ゼロについては4年くらい前から、さまざまな準備をしてきた。
株以外にもエコシステムを持っている
いちばん心配していたのはシステムの問題。今、SBI証券には1000万口座あるが、これが短期間で2000万口座を超えると想定している。口座数の急増に耐えられるシステムの手当てがつき、失われる収益を補う代替的な収益を上げる方法についても、ある程度確立できたと考えている。
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