【産業天気図・自動車】北米の日本車人気続く。グローバル販売漸増に円安効果が上乗せ

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自動車業界は若干の不透明要因を抱えながらも「晴れ」が続きそうだ。
 最大の注目点は、多くの日本車メーカーが利益の過半を稼ぐ北米市場だ。ここでは、ガソリン高に加え、今秋のハリケーン来襲により、燃費の悪い大型SUVの失速が一段と顕著になってきた。この影響は主に、GM(ゼネラル・モーターズ)やフォード・モーターなど米ビッグスリーの業績に影を落としているが、日産自動車<7201.東証>のライトトラックも減産を余儀なくされるなど、若干の影響は出ている。一方で、クロスオーバーと呼ばれる新種のSUV関連の需要は順調。ここでは日本車の健闘が光る。
 また、日本車メーカーは得意の乗用車が好調。北米市場で燃費の良い日本車に需要がシフトする中で乗用車が伸びるという構図だ。今秋投入されたホンダ<7267.東証>の新型「シビック」、さらには06年に投入されるトヨタ<7203.東証>の新型「カムリ」など稼ぎ頭の量販セダンにとって追い風だ。日産も06年度に量販セダンの「アルティマ」「セントラ」、さらに高級車ブランド「インフィニティ」で「G35」(日本名スカイライン)のフルモデルチェンジを予定している。車種構成(ミックス)でも大幅な悪化要因は見当たらない。
 そのほかの市場では、日本が成熟、欧州がジリ高、中国を含むアジアが拡大という構図が続く。中国は、ほぼ世界中のすべての自動車メーカーが参入し、将来的に深刻な供給過剰が心配されている。ただ、今のところ、日本車メーカーは総じて勝ち組ブランドの座を確保しており、今後1年の間に中国が業績下方要因となる可能性は低い。
 さらに、05年度後半は、為替が各社計画より大幅な円安で推移しており、業績押し上げ要因となる。
【野村明弘記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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