「やる気」に関係なく動ける人に共通する思考回路 「ネガティブに物事を考えないため」にしたい事

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マインドフルネスはそうした雑念を取り払い、気持ちを「今」に集中させるために行うものです。具体的には「瞑想」が用いられます。瞑想を行うことで余計な雑念が消えるため、不安やストレスから解消され、心身のコンディションを整える効果が期待できます。

私が「やる気を上げる」という観点でマインドフルネスに注目しているのは、自分の内面と向き合うことで、あるがままの自分を受け入れながら、「自分」と「自分の感情」を切り離していくことができる点です。

マインドフルネスの瞑想では、目を軽く閉じて呼吸を整えていきます。呼吸に集中しながら、あるがままの自分を観察します。

余裕がない自分やイライラしている自分……。こうした自分を否定するのではなく、ある意味俯瞰して捉えるのです。

自分を俯瞰して見る感覚が身につくと、「自分の感情」と「自分」を分離して捉えられるようになります。「やる気が出ない私と、私自身は別である」とか「つらい過去にこだわっている私と、今の私は別である」という感覚です。

この感覚をものにすると、やる気が出ないときは、「今日はやる気が上がらない私がいるな」と自分を俯瞰して見たうえで、「やる気が出ないなりに、できることをやってみよう」と、「感情」と「自分」を切り離して行動することができるようになるのです。

「今日の私は気持ちが落ちている」、しかし、「私自身がどこかに落下していっているわけではない」と思えるようになるのです。

「自分の感情」と「自分」を分離して捉えられるようになると、イヤなことがあってもそれとは関係なく、前向きに動くことができるようになります。「やる気が上がる」というよりは、やる気の有無にかかわらず行動することができるようになるのだと私は考えています。

多趣味な人の方がやる気がある?

趣味はたくさんあった方が、人生を前向きに過ごすことができるのかもしれません。

自分のやる気が上がるのは、どっち?
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しかし「多趣味な人」というと、一見、活動的でやる気のある人を想像しますが、実は飽きっぽくて何をやっても続かない人なのかもしれません。

たくさんのことに取り組むエネルギーはあっても、やる気が続かないから、つねに別の何かに目を向けているとも考えられるのです。多趣味な人に、「あなたの本当の趣味は何ですか?」と聞けば、困ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。

一方で、長く打ち込める趣味を1つ、2つ見つけてそれをずっと楽しんでいる人は、やる気を持続させるコツをつかんでいると考えることもできます。

趣味以外のことでもやる気を上げて、それをキープするのがうまいのではないでしょうか。やる気をコントロールする術は、仕事以外のことからでもたくさん学べると私は思います。

田中 伸明 ベスリ会総院長、日本神経学会認定医、医師会認定産業医、東洋医学会専門医

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たなか のぶあき / Nobuaki Tanaka

鹿児島大学医学部卒業後、諏訪中央病院で地域医療に従事。その後、厚生労働省でマネジメントを、マッキンゼー・アンド・カンパニージャパンで経営を学ぶ。その経験を生かして会津大学理工学部、日本大学工学部、京都産業大学経営学部の教授として大学教育に従事。ビジネス領域で活動した医師免許所有者の社会的責務として、日本を支えるビジネスパーソンのメンタル障害を解決することが重要と考え、ベスリクリニックを開設。医学だけでは解決できない問題に対して独自の社会的アプローチを開発するとともに、ビジネスを含め、広くサービスを探査、提供している。著書に『マッキンゼー×最新脳科学 究極の集中術』など。

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